【東スポ音楽館】新曲、新作アルバムなど、音楽の魅力を語る新連載「東スポ音楽館」がスタート。第1弾は演歌界の大御所・北島三郎(84)だ。今年はシングル「生かされて」(作詞・鈴木紀代、作曲・原譲二)をリリースした。そこにはこれまで歩んできた「感謝」という気持ちが込められている。

 ――「生かされて」はどんな思いで歌われてますか
 
 北島 この年になると、自分に関わってきた多くの人が旅立ってしまう。誰しも生まれて、いつかは終わる時がくるのだけれど、まだ生かされてる自分がいる。丈夫な体を与えてくれた両親、デビューの道に導いてくれたお師匠さん。歌仲間やお世話になった先輩方。そして、現在まで長年応援してくれているファンの皆さん。本当に幾多の人に支えてもらい、北島三郎はこの道を歩ませてもらってきた。人生…年齢を重ねて、生きなきゃと思うのはつらいから、生かされていることに感謝をしながら歌うんだ。

 ――昨年末のNHK紅白歌合戦ではリモート形式で参加されました

 北島 昨年、出させてもらったのは、長年出場させてもらった紅白や、支えてもらったファンの皆さん、視聴者の皆さんに少しでも恩返しをという気持ちと、出場者のみんなと同じでコロナに負けず頑張ろうという思いが重なり、微力ですが応援をさせてもらいました。

 ――紅白に対する思いは

 北島 紅白歌合戦は日本が誇る最高の歌番組。そして長い歴史の中で紅白も移り変わってきた。昔ならばカメラの向こうにいる故郷や日本各地の人に届けと歌っていたが、今や世界にまで放送される時代になった。だから、これからの若い歌手の皆さんには、これが日本の音楽だと世界に向けて頑張ってほしいよね。昨年末には初めて無観客で放送されたけど、歌い手のみんながコロナの終息を祈り、熱い気持ちが伝わって良かったと思う。

 ――話はそれますが、種牡馬になったキタサンブラックの産駒が走りますね

 北島 活躍していたころを思い出すと、今でも胸が熱くなる。キタサンブラックが勝利したレースはどれも思い出があるけれど、一番印象に残っているのは実は新馬戦なんだ。いつも新馬戦はハラハラドキドキするからね。今年の夏にデビューを迎えるけど、自分の子供のように思っているキタサンブラックの子だから、孫が走るのと同じ。応援しなきゃ(笑い)。おかげさまでたくさんの孫たちがデビューするから、みんなケガのないように走ってきてほしいと願っています。