歌手の藤井香愛が25日、東京・豊島区の池袋西口公園野外劇場「グローバルリングシアター」で開かれた月刊フリーペーパー「みんなの歌謡曲」主催の「みんかよ音楽祭」に参加した。

 今回の「東日本大震災追悼スペシャル」と銘打たれたイベントは、2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年がたち、同震災復興に向けて歌でエールを送りたいとして行われたもの。藤井のほか、歌手の佳山明生や三城ゆり子など13組の歌手が出演した。
 
 出演者全員で「花は咲く」を大合唱してオープニング。歌手を代表して佳山が「コロナや地震などいろんな禍がある中、このひとときだけでも、われわれの歌を聴いて元気を出していただけたらいいかなと思って駆けつけてまいりました」とあいさつした。

 2018年にデビューした藤井は東日本大震災の時は歌手を目指してアルバイトをしていたという。「3月11日は新しいアルバイト初日で、バイト先の麻布十番から地元の中野まで3時間以上かけて歩いて帰ったのを覚えています」と振り返り、「被災地の一日も早い復興を心から願いながら、歌手として皆様に少しでも笑顔になっていただけるよう頑張ります」と話した。

 ステージでは昨年4月に発売した3枚目シングル「その気もないくせに」を熱唱。3月10日には新装版としてシングル「その気もないくせに/鳴かない鳥」をリリースする。「コロナの影響で思うように活動ができませんでした」と言う藤井。それだけに、今年にかける意気込みは人一倍で「両A面として新しく収録される『鳴かない鳥』は、とても切ない曲ですが、強く優しい女性の歌です。藤井香愛の新しい歌声を聴いていただける楽曲になりました」と語った。

 最後はトリの佳山が、大ヒット曲「氷雨」などを熱唱。約3時間にわたって全員で全31曲を披露し、老若男女の演歌・歌謡曲ファンを存分に楽しませた。なお、この日の入場料&CD売り上げの一部が、出演者を代表して三城から藤井の出身地である被災地・茨城県の福祉協議会などに東日本大震災復興支援のために寄付される。