各テレビ局が1年間で、最も力を注ぐ4月ドラマがスタート、担当スタッフの喜びの声やため息が聞こえてきた。なにせドラマが大ヒットを飛ばせば、年度&年間視聴率競争に大きな影響力を及ぼすからスタートダッシュに必死になるのも当然だ。そんな中、注目を集めているのが木村拓哉(42)主演のドラマ「アイムホーム」(テレビ朝日、毎週木曜午後9時~)と堺雅人(41)主演の「Dr.倫太郎」(日本テレビ、毎週水曜午後10時~)の一騎打ち。当代の視聴率男同士の“タイマン勝負”の行方は――。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)

 木村は昨年7月期に放送された「HERO」(フジテレビ)で平均視聴率21・3%を叩き出し、いまだに“キムタクブランド”が健在であることを証明した。

 一方の堺は一昨年に放映した「半沢直樹」(TBS)で全話平均28・7%、最終回は42・2%と今世紀最高となるドラマ視聴率を記録した。2人が互いに意識していることは、誰の目にも明らかだ。そんな2人の人気者がガチンコでぶつかったのだから業界はかたずをのんで見守った。

 注目の初回視聴率バトルを制したのは――。木村の「アイムホーム」が視聴率16・7%で、堺の「倫太郎」(13・9%)を上回った。当初、ドラマ関係者の間では堺優勢説が大半を占めただけに、この結果に多くの関係者が驚いた。ところが、これで終わりではない。

 第2話の視聴率結果にテレ朝と日テレ関係者がソワソワし始めたのだ。

「『アイムホーム』が14%。『倫太郎』が13・2%。2作品ともに視聴率を下げてしまったんです。堺は0・7ポイントで済んだが、木村の方は一気に2・7ポイントも下がってしまった。視聴者がつまらないというジャッジを下した証拠だ」(業界関係者)

 視聴率競争でトップを競い合い両局関係者が慌てる理由は莫大な制作費にある。目標視聴率を超えないと大赤字に転落するからだ。

 まずはテレ朝。最低目標視聴率は16%だった。

「いずれも推定ですが、木村のギャラ1本は280万円。他に上戸彩が160万、西田敏行が200万、水野美紀が110万、田中圭100万、新井浩文が140万、光石研100万、渡辺いっけいが150万、及川光博140万。この他に毎回、香川照之など豪華なゲストが登場するため1話当たりの総制作費は7000万オーバー。出稿するスポンサーとの信頼問題などを考慮すると、16%になる」

 日テレも最低目標視聴率は15%以上に設定されているという。

「堺の出演料が1本200万円、蒼井優が150万、吉瀬美智子が140万。ほかに内田有紀120万、高橋一生90万、遠藤憲一130万、長塚圭史80万、松重豊90万、小日向文世140万。日テレはドラマ1本当たり2000万円で制作するが『倫太郎』に関しては3倍の6000万円。最低平均視聴率15%をキープしてくれないと本当にやばい。プロデューサーや担当CPは間違いなく異動対象になる」(事情通)

 両ドラマはストーリーのみならず、視聴率の推移も興味をそそる。