NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」が、打ち切りまでささやかれる未曽有の大ピンチに陥っている。これまでも「平清盛」のように低視聴率にあえいだ大河はいくつもあったが、今回は周囲の状況が違いすぎる。「会長のハイヤー代と、『クローズアップ現代』のヤラセの2つの疑惑で、視聴者はもちろんNHKの局員までが完全にシラけ切っている。このままでは大河が終わるかもしれない…」とテレビ関係者。確かにこれほど逆風が重なっては「まさか」が起きるかもしれない!?
(本文中の視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)

「花燃ゆ」が、とんでもないことになりそうだ。初回視聴率16・7%とこの10年間で最低記録を打ち立てたばかりか、その後も数字は下降線。第7話(2月15日放送)では1桁目前の11・6%まで下がったのだ。

 その後、第10話(3月8日)は12・7%、11話(15日)は14・0%、12話(22日)は13・2%と少し持ち直したが、13話(29日)は11・7%とまたまた急降下。局内は暗いムードに覆われた。

「みんなの頭をよぎるのが、年間平均12・0%で大河史上ワーストとなった2012年放送の『平清盛』。ただ最悪と言われた『平清盛』でも、12%台をうろつき始めたのは3月の後半。2月に11%台を記録した『花燃ゆ』は、もっと早く1桁に突入するかも」(事情通)

 ワースト記録を樹立した「平清盛」の最低視聴率は7・3%(第45話)。果たして「花燃ゆ」はどこまで記録を更新するのか!?

「下馬評では5%を切ってしまうとも言われている」(同)。その理由を数々のヒットドラマを制作した制作会社プロデューサーが解説する。

「NHKは基本を忘れてしまった。井上真央演じる主人公は吉田松陰の妹で歴史的に無名。ドラマ初回のオープニングも松下村塾の塾生におにぎりを配るところから始まっている。せめて無名なら今回、大河がなぜ彼女を取り上げたのか? その偉業から触れるべき。あの作りでは、誰も感情移入ができない」

 往年の大河ドラマファンも「花燃ゆ」には愛想を尽かしているという。

「僕は加藤剛が平将門を演じた1976年の『風と雲と虹と』からの大河ファンだが、今回はキャッチコピーが“幕末男子の育て方”と聞いて、見るのをやめてしまった。これでは維新の志士たちも草葉の陰で泣いている」(芸能プロ幹部)

 だが、あるテレビ関係者は大河離れの別の原因を指摘する。

「作りも宣伝文句もダメだけど、最近のNHKのイメージの悪さが大きい。籾井会長のハイヤー代に『クローズアップ現代』のヤラセ疑惑…。おまけにスマホやタブレットからも受信料を取ろうとしているんだから、視聴者が“冗談じゃない! 誰が見るか”となってもおかしくない。この先どんなにテコ入れしても、数字が上がることはまずないでしょう」

 もともと「花燃ゆ」は自身にまつわる一連の問題で渦中にある籾井勝人会長(72)の肝いりドラマ。顔色をうかがう安倍晋三首相(60)の地元・山口(長州)が舞台とあって、低視聴率に怒って制作現場にカミナリを落としたのは本紙でも既報済み。こんな裏話を知れば、ますます見たくなくなるのが人情だ。

 そこでとうとう“大河ドラマ打ち切り論”まで飛び出している。

「大河は受信料で1話、1億円以上の制作費を投入。それで民放の昼帯の再放送ドラマよりも数字が低いとなれば国民が黙っていない。また局内では東日本大震災以降『報道に力を入れろ』との意見が強い。身内から打ち切りの声が上がりそうだ」(関係者)

 こんな惨状のなか、制作チームから出ているテコ入れ案は、素人からもツッコミが入るようなプランばかり。

「バカの一つ覚えのイケメンヌードです。伊勢谷友介、大沢たかお、東出昌大、高良健吾、要潤…。これらイケメン俳優の相撲シーン、川遊び、風呂などのシーンを増やし、自然な形でフンドシ姿を見せるという案です」(事情通)

 視聴率が10%を切り、2つの疑惑が爆発したら、前代未聞の「大河打ち切り」となるかもしれない。