上野樹里(27)主演の連続ドラマ「アリスの棘(とげ)」(TBS系)が初回視聴率14・2%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)と好スタートを切った。17・2%の杏(28)主演「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ系)に今クール1位の座を譲ったものの話題性では負けてはいない。

 手術中の医療ミスで父が死亡した恨みを自らが医師となって晴らすというストーリーで「痛快でスタイリッシュなサスペンスドラマ」(TBS関係者)。上野はクールな表情で復讐の鬼となり、父の敵を討っていく。

 さっそく週刊誌上では、上野がこの撮影現場で“プッツンモンスター”ぶりを発揮していると報じている。ベテラン俳優の岩城滉一(63)などにもタメ口で話し、藤原紀香(42)や栗山千明(29)には演技指導をしているというから、上野の本領発揮といったところだ。

 そもそも上野といえば“不思議ちゃん”として知られる。

「同じ所属事務所の吉高由里子、仲里依紗と“不思議3姉妹”とも呼ばれることもありますが、その筆頭、長女といってもいい存在が上野。悪く言えば、女優として頑張っていれば、他は何をやっても許されるという考えですから、事務所関係者はかなり苦労しているようですよ」(芸能プロ関係者)

 プッツン、不思議ちゃんと不名誉な称号がついて回る上野だが、自業自得な面もある。

「先輩、後輩など関係なく、共演者とタメ口で話すのが基本。役にのめり込むと、私生活も役そのものになり、切り替えがきかない。普通はこれだけキャリアがあれば、空き時間などに共演者と和気あいあいと談笑したりするのでしょうが、上野の場合は楽屋にこもったり、現場でも一人きりで“近づくなオーラ”を発するから、共演者で友人になろうとする人はまずいない」(テレビ関係者)

 だが、2011年のNHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」では1年間、主役として乗り切った。上野自身はその自負もあってか、自信をみなぎらせ、撮影に臨んでいるという。

 今回のドラマのPRのため出演した「オールスター感謝祭」で、上野はアーチェリーに挑んだ。男性に交じり紅一点、真剣な表情で矢を放ったが、惜しくも唐沢寿明に敗北。「バラエティーなのに笑顔も硬く、負けたことがすごく悔しそうだった。純粋で不器用な女優さんなんだなと思いましたね」とは別の芸能プロ関係者だ。

 実は上野を起用するテレビ、映画関係者もその魅力を同じように語ることが多い。そのうえで、上野をこう評価する。

「プッツン女優というのはいつの時代もいるもの。藤谷美和子に石原真理子、秋吉久美子、荻野目慶子などもそうだったように、言動が理解されなくても、自分にしかない世界観を持っていた。女優としては貴重な存在でむしろメリット。監督などはその特異な部分を映像として撮りたいと思うわけです。上野さんも役に入ると、独特の表情を見せる。他の部分に問題があるといっても、ちょっと無礼で偉そうというくらいでしょ。何の問題もないですよ」(映画関係者)

 確かに、かつての松田聖子、沢尻エリカのような破天荒な女優はいなくなった。行儀良く、小さくまとまった女優になるよりは、我流を通す上野は応援すべき存在なのかもしれない。