新シリーズも「私、失敗しないので」だった。女優・米倉涼子(44)が主演のドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系、木曜午後9時)の新シリーズがスタートした。女優としてのイメージが定着してしまうということで、前回のシーズン5を最後に米倉がこれ以上の続編を断っているといわれていたが、その思いを覆すきっかけは何だったのか。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)

 満を持して登場した「大門未知子」はやはり強かった。17日に放送された初回の平均視聴率は20・3%と、今年放送された民放連続ドラマでは初の20%の大台突破となった。分刻みの最高視聴率は25・3%で、ドラマの終盤にあたる10時3分と5分で記録した。

 圧倒的な数字を見せつけた米倉だが、そのインパクトを恐れているのも米倉本人だ。2017年に放送されたシーズン5を最後に、役柄が定着してしまうことを理由に「二度と出演はしない」と続編を拒否していたといわれた。だが、テレビ朝日が3つの条件をのむことでシーズン6の制作になんとかこぎ着けたという。

「1つ目は出演ギャラです。前作よりも、また大幅アップしたといわれており、ついに1話1000万円超えの4桁の大台に乗ったとささやかれています。2つ目はこれまでと変わらない共演者でやること。今回もシリーズ構成でおなじみの岸部一徳、西田敏行、遠藤憲一、内田有紀と個性ある面々が出演するんです。これらの条件をのんだことで1話当たりの総制作費が1億円近くに跳ね上がってしまったそうです」(制作関係者)。全般的に下がっているといわれるテレビの制作費だが、視聴率トップ争いで日本テレビを猛追するテレ朝にとって、それだけ出す価値のあるドラマということだ。

 米倉が出した要求は制作面だけではないという。それが3つ目の「ドクターX」の後枠だ。

「米倉は、とにかく役柄に惚れ込んでいた『ナサケの女~国税局査察官~』の続編制作を要求したそうです」(テレ朝関係者)

 この「ナサケの女」とは、10年に放送された木曜午後9時枠の連ドラで、米倉は、欲とカネにまみれた脱税者に対し、一切の容赦を加えず、タンカを切って納税者の留飲を下げてきた国税局査察官の松平松子を演じた。12年には「ナサケの女Special~国税局査察官~」としてスペシャルドラマが一度、放送されている。

「この12年に放送されたものが、今年9月1日に『テレビ朝日開局60周年 夏の傑作選』という形で放送されたんですが、これは米倉の続編要求によるものといわれています。米倉はこの松子役が大好きで、この続編ができるのであればと『ドクターX』を受ける条件に挙げたといわれているんです」(同関係者)

 さらにはサプライズもあるという。

「松子を『ドクターX』に登場させるというプランです。要は米倉が1人2役を演じるんです。それが可能なのも『ドクターX』と『ナサケの女~国税局査察官~』の制作会社が同じだからなせる業。制作陣と息もぴったりなんです」(同関係者)

 この流れでいけば、今回で「ドクターX」シリーズは最後で、米倉は「ナサケの女」の新シリーズをスタートさせるということになりそうだ。

 だが、ある芸能プロ関係者は「米倉の『これが最後』というのはもはや風物詩みたいなもの。テレ朝もこれだけの優良なコンテンツはそう簡単に手放せないでしょう」。どちらにしても「ドクターX」の行く末に目は離せない。