避けて通れないデリケートな「ニオイ問題」に様々な意見が出ている。

 アイドルイベントの問題に一石を投じたのはSKE48の松村香織(27)だ。先日、握手会に並んだ女性ファンから「ニオイに耐えられないからどうにかして」と苦情が出たことをツイッターに投稿。人が多く集まるイベントで、特に夏場は体臭問題に悩まされる人が少なくない。松村は対策として無香料制汗スプレーの使用などを促した。松村の意見はファンからも好意的に受け止められた。

 同様のニオイ問題でも、体臭ではなく「人工的な香り」の問題への取り組みも最近話題だ。

 日本消費者連盟は芳香柔軟剤など人工の香料が原因で体調を崩す人が増えたことから、7、8月に相談窓口「香害110番」を開設。電話など200件超の相談が寄せられた。

 同連盟の担当者は「香りの化学物質によって過敏症を発症する人が増えている。特に多く相談を受けたのは、近隣の洗濯物への悩みだった」と話す。相談者の中には、会社の同僚の香水がひどくて通勤できなくなったが「会社が配慮してくれなくて、退職に追い込まれた」(担当者)ケースもあったという。

 松村の提起した体臭問題について、同連盟は「我々が扱うのは体臭の問題ではない」と前置きしたうえで「(アイドルという)仕事として、仕方ないのでは!? 体臭で人は死なないけど、香害はぜんそくを併発するなど死の危険性がある」と指摘した。松村が推奨する制汗スプレーは無香料で問題なさそうだが「制汗スプレーの成分も化学物質」と指摘する。

 一方、IT企業に勤める30代女性会社員は「強烈な体臭のおじさんが同じ部署だから困ってる。小会議室に彼がいると、呼吸を止めて議事録を取る必要があって、頭がくらくらして会議の内容が頭に入らない」と語る。

 体臭が職場環境に与える影響も無視できない。