24日に発表された「第67回NHK紅白歌合戦」の出場歌手では、初出場組の記者会見にAKB48の横山由依(23)、渡辺麻友(22)らが登場して驚かせた。特別企画としてAKB48グループ全300人超から48人が視聴者の投票で選ばれる「夢の紅白選抜をみんなで選ぼう!」の実施がサプライズ発表された。今年6月に開催された「選抜総選挙」の紅白版ともいえる同企画はなぜ誕生したのか。

 この日、当初は初出場歌手にエールを送る役割として呼ばれたが「AKB48 夢の紅白選抜をみんなで選ぼう!」と題して、本番のステージに立つメンバー48人が視聴者からの投票で決まることが明かされた。

 AKB48グループで出場するのはAKBの1組だが、今回は国内姉妹グループを含めた全5グループ(AKB、SKE、NMB、HKT、NGT)の300人を超える全メンバーが、事前に紅白の公式サイトで「今年叶えた夢」を発表。視聴者はそれを受けて、どのメンバーが「夢の紅白選抜」にふさわしいかを紅白公式アプリとデータ放送を使って投票する。

 まるで、グループ恒例の最大イベント「AKB48選抜総選挙」の“紅白版”。6月の総選挙で2位だった渡辺は「出られない可能性があるってことですか? 残酷すぎません!?」と恐怖心をあらわにしながら「年末まで争わなきゃいけないのかと憂鬱なんですが、総選挙のリベンジで1位を取りたい」と意気込んだ。

 紅白担当の矢島良チーフプロデューサーは報道陣に「『夢を歌おう』がテーマ。ご本人たちにはご説明していなかったので、ああいう言葉(総選挙)になってしまったのですが、我々は総選挙ではなく、紅白版の夢の選抜を作りたいという思い」と説明した。

 芸能プロ関係者は「昨年はAKB、NMBが出演したが、SKEとHKTは落選。姉妹グループが増える中で、紅白枠を巡って“食い合い”のようになる。姉妹グループを含めた300人以上が“紅白選抜”を争う企画は、ある意味、全メンバーに夢の舞台に立てるチャンスがあり、モチベーションにもつながる。若年層に紅白をアピールしたいNHKにとっても、全グループのファンが注目することになる企画は、願ったりかなったりでしょうね」と指摘する。

 今年、始動した新潟を拠点にするNGT48はまだCDデビューしていないだけに、本来なら紅白の舞台に立つ可能性はゼロ。“紅白選抜”は全国に売り込む絶好の機会にもなる。

 また、今年は同じく秋元康氏(58)が総合プロデュースを担当する乃木坂46が連続出場し“妹分”欅坂46もデビュー1年目で初出場したことも背景にあるという。

「乃木坂は最新シングルが100万枚を超える大ヒットでAKBに迫る勢いで、欅坂もデビューシングルが発売初週に26万枚以上を売り上げるなど、人気が急上昇している。今後は46グループとの紅白枠を巡る争いも激しくなることが予想されるだけに、本家の総選挙のように“紅白選抜”“紅白版総選挙”が恒例化する可能性もありそうです」(前同)

 投票はAKB48劇場デビュー11周年にあたる12月8日からスタート。同29日に選抜メンバー48人が発表され、同31日の生放送で順位も判明する。もう1つの総選挙もお茶の間をにぎわせそうだ。