松井玲奈の“置き土産” 板東英二ショック振り払い「ライブのSKE」復活

2015年09月01日 11時00分

ほかのメンバーとともに完全燃焼した松井玲奈(中央)

 SKE48の松井玲奈(24)の卒業コンサートが8月30日、愛知県の豊田スタジアムで行われた。卒業ソング「2588日」をしっとりと歌いあげ、集まった約4万5000人のファンに別れを告げた玲奈だが、今回のコンサートではセットリストやステージ構成などにも関与。昨年2月の“板東英二ショック”以来、大箱会場では遠ざかっていた「ライブのSKE」の名を完全復活させた。

「SKEは私にとって青春でした。皆さん、また会いましょう――」

 最後のあいさつの後、水しぶきが上がる中、玲奈はファンの前から去っていった。東海地区最大の会場・豊田スタジアムで行われた玲奈の卒業コンサートは、ファンからの大きな拍手に包まれて終わりを迎えた。

 2日間で約7万5000人を集めた今回のコンサートだが、玲奈の集大成にふさわしく2日間とも大盛り上がり。SKEファンとして知られる元KEIRINグランプリ王者の加藤慎平選手(37)が「無駄な演出が一切なくパーフェクト。メンバーの本気が伝わってくる熱いステージでした。素晴らしかった」と大絶賛したように、多くのファンが満足する内容だった。

 SKEにとって今年初めての大箱コンサートだっただけに、不安はあった。というのも昨年2月1~2日に行われたSKE単独のナゴヤドームコンサートが不評だったからだ。

 セットリスト(曲目、曲順)が決まったのがわずか1週間前。しかもファンが盛り上がる鉄板の曲がなぜかプログラムには組み込まれておらず、「48グループで一番熱い」と言われるSKEファンも燃え尽きることができないまま終了。それまでコンサートを行うたびに「ダンスのSKE」「パフォーマンスのSKE」と評価を上げてきたSKEにとって初の挫折だった。

 失敗の要因の一つとして挙げられているのが“板東英二ショック”だ。コンサート初日、始球式を行うためドームのステージに最初に登場したのはメンバーではなく、個人事務所の申告漏れで芸能活動を休止し、復帰した直後のタレント・板東英二(75)だった。

 しかも第一声が「皆さん、こんにちは。板東英二です。このたびは皆さんにはご心配、ご迷惑をおかけしまして心からおわびを申し上げます」となぜか自分の不祥事をわびる言葉。続いて行われた開会宣言もカンペを見ているかのようないい加減さで、これには「なぜSKEの晴れ舞台に板東なんだ」「SKEがみそぎに使われた」とファンもどっちらけだった。

“板東ショック”でいきなり出はなをくじかれたこともあってナゴヤドームコンサートが不完全燃焼に終わったSKEは、大組閣を経て同年4月に行われたさいたまスーパーアリーナでの単独コンサートの評価もいまひとつ。卒業メンバーが続出したこともあって「勢いが衰えてきたのでは」という声も周囲から上がるようになってしまった。

 だが、今回の豊田スタジアムは違った。「SKEの未来を感じてほしい」と玲奈自らセットリストやステージングの会議に加わり「ライブのSKE」完全復活に向けて積極的に動いた。

 チームKIIの高木由麻奈(22)に玲奈がコンサート用のダンスナンバー作曲を依頼。初日に披露された高木作曲の「ブリッジ」では、松井珠理奈(18)らダンスメンバー17人が熱いパフォーマンスを繰り広げ、会場を熱狂の渦に巻き込んだ。2日目も玲奈最後のステージを盛り上げようとするメンバーの本気が伝わってくる3時間だった。

「スタッフさんと話し合って、どの曲がやりたいとか選択をさせてもらいました。メンバー一人ひとりが目立てるように考えました」。こう語った玲奈だが、まさに最後の置き土産は「パフォーマンスのSKE」の完全復活。その手腕は見事だった。