「第2回AKB48グループドラフト会議」が10日、東京・有明コロシアムで開催され、AKB48、SKE48、NMB48、HKT48と、新潟市で今秋発足するNGT48が、候補者47人から24人を指名した。プロ野球の“本家・ドラフト会議”に勝るとも劣らないドラマが繰り広げられた。舞台裏では、指名されなかった候補者たちが号泣し、関係者も見ていられないほど過酷な光景があったという。

 プロ野球のドラフト会議と同じくらい熱いくじ引きが繰り広げられた。

 2013年11月に行われた「第1回AKB48グループドラフト会議」では、5チームが競合指名した川本紗矢(16)のくじを引き当てたAKB48チームAの島崎遥香(21)が、第2回でも強運を見せつけた。今回は3チームが競合した埼玉県出身の樋渡結依(ひわたし・ゆい=15)を引き当て、普段はそれほど感情を出さない島崎が右手を上げてガッツポーズを見せた。

 樋渡は終了後の囲み取材で「ぱるる(島崎)さんが引いてくれてうれしかったです」と笑顔いっぱい。同じく1巡目で、3チームから指名を受けた愛知県出身の水野愛理(みずの・あいり=12)は、同県を拠点とするSKE48チームKIIが交渉権を獲得。水野は「指名されるか不安だったので、指名されてよかった」とうれし涙を流した。

 指名を受けた直後はうれしさと驚きで涙が止まらず、言葉を出すこともままならなかった候補者たちだが、終演後の会見では喜びを表すかのようにはじける笑顔を見せていた。

 しかし本家・プロ野球のドラフトと同様、残念ながら“指名されなかった候補者”も約半数の23人に上った。AKB48グループの総監督を務める高橋みなみ(24)は「本当に胸が苦しくなる。正直、全員獲りたいのが一番ですが…」と語ったほどだ。

「全チームの指名が終わった瞬間、会場の別室では選ばれなかった候補者たち全員が顔を押さえ、声を出して号泣していました。その様子を親御さんも見ていて…。ドラフトなので選ばれる者、選ばれない者がいることはしようがないことですが、スタッフも胸が苦しくて見ることができなかったほどでしたね」(関係者)

 プロ野球でも「指名有力」と言われながら最後まで名前を呼ばれず、会見場で涙を見せる姿がテレビで放送されることもある。この過酷な光景が、AKB48グループのドラフトでも繰り広げられた。

「会場の都合上、選ばれなかった候補者が号泣していた部屋では、指名された候補者が終演後すぐに報道陣の会見に応じなければならなかった。指名されなかった候補者が涙が止まらないまま部屋を去った後、指名されて喜びに満ちた子が部屋に入っていく…。残酷かもしれませんが、これが48グループの厳しい現実かもしれません」(同)

 会見が始まる前、報道陣からは「なんでこんなにムシムシしている」「暖房でも入れているのか?」などと不満の声が出ていたが、湿気と室温上昇の原因は選ばれなかった候補者たちが号泣したためだったのだ。

 AKB48グループの次期総監督を務めることが決まっている横山由依(22)は「私も3回目のAKBオーディションで入ったので、たくさん挑戦してもらえたら次につながる」とメッセージを送った。

 実際に“救済措置”もあり、「今回指名されなかった23人の候補者は、NGT48の最終オーディションに参加できる権利を持っている」(別のAKB関係者)。今回のドラフトで流した悔し涙を忘れず、10月に始動するNGTでセンターに立つ候補者が出てくるかもしれない。