“会いに行けるアイドル”に新展開!! 人気アイドルグループ「AKB48」が15日、「OUC(おうち)48プロジェクト」をスタートさせた。新型コロナウイルス感染拡大による影響で、本来の活動が難しい状況だが、自宅で楽しめる新たな取り組みに挑戦だ。有名、無名問わず苦境に立たされるアイドル界。AKB48の担う役割は大きそうだ。

 新型コロナウイルス感染拡大にアイドルも苦しんでいる。“会いに行けるアイドル”というスタンスを取り続けてきたAKB48も同じだ。

 だが、手をこまねいているわけにもいかない。外出自粛が叫ばれ、自宅で過ごす時間が増えたことで、「おうちから、ニッポンを元気に!!」をテーマにしたのが「OUC48プロジェクト」。本拠地である東京・秋葉原のAKB48劇場が5月6日まで閉館中のため、同劇場を「おうち」に移し、メンバーそれぞれの自宅から様々な企画を発信する試みだ。

 さっそく第1弾が15日午後3時に、グループ公式ユーチューブチャンネルで公開された。2015~16年に放送されたNHK連続テレビ小説「あさが来た」の主題歌「365日の紙飛行機」を、所属メンバー103人(一部、活動休止中のメンバー除く)が、それぞれの自宅で歌唱。柏木由紀(28)、小栗有以(18)らメンバー同士が自主的に連絡を取り合って撮影した動画を、48グループ総監督の向井地美音(22)が編集したという。

 今月2日に横浜アリーナで予定されていた現役唯一の1期生・峯岸みなみ(27)の卒業コンサートが延期になったほか、今は劇場公演や握手会なども行えていない。

「劇場公演や握手会を通してファンの皆さんに会えない日々はすごく寂しい」という向井地は「人と人が力を合わせて乗り越えなければならないこの期間、ほんの少しでも、私たちがおうちから届けるもので、元気や笑顔になってもらえたらうれしいです」と願いを込めた。

“コロナ自粛”が盛んに叫ばれ、アイドル活動にも厳しい目を向けられる状況だが、関係者らは、AKB48など知名度のあるグループの模索に注目しているという。

「東日本大震災の際、AKB48グループは復興支援プロジェクトを立ち上げ、募金活動や被災地訪問などを続けていた。当初は『偽善』『売名』などバッシングがありましたが、一過性でない活動で被災地からも感謝されるまでになった。今回の“コロナ禍”もネット上では『こんな時にアイドルは必要ない』などの言葉も数多く書き込まれてますが、AKBさんが批判の矢面に立ちながら、アイドルの“存在価値”を示してほしい」(アイドル誌編集者)

 東日本大震災の支援活動では当初、アイドルに懐疑的だった被災地の人々も、無料ライブなどで笑顔を見せる子供たちを目の当たりにし、感謝するようになっていった。「芸能界自体がそうですが、非常時にはアイドルも“娯楽”としてみられてしまう。でも、自粛ムードで暗くなってしまう気分をアイドルの笑顔に触れて、勇気づけられたり、元気をもらう人も大勢いる。AKBさんには怖がらずにどんどん挑戦してほしいし、苦境に立つアイドル界を盛り上げてほしい」(前同)

“会いに行けるアイドル”としてブレークし、近年のアイドルビジネスの礎を築いたともいわれるAKB48。自粛ムードに苦しむアイドル界を背負う責任があるようだ。