アイドルグループ「SKE48」が3月1日に芸能プロダクション「AKS」からJASDAQ上場企業「KeyHolder」の子会社「株式会社SKE」(7月1日に社名を株式会社ゼストに変更)に譲渡されてから半年が経過した。東スポWebはゼストの赤塚善洋社長(42)を直撃。インタビューを3回にわたってお届けする。「NGT48騒動」という大逆風が吹き荒れる中、新生SKE48のかじ取りを赤塚社長はどのように行っていくのか。

 ――SKE48が芸能プロダクション「AKS」からKeyHolderへ譲渡されるにあたって赤塚社長が仲介役を果たした

 赤塚社長:もともと私と(KeyHolderの)藤澤信義会長に接点がありました。KeyHolderがスタジオ会社の運営をすることになった際にallfuz(オルファス=赤塚社長が代表取締役を務める広告代理店事業会社)と業務提携を結んでいました。

 ――AKSともつながりがあった

 赤塚社長:セブンイレブンさんのフェアでAKB48さんを起用した際に私の会社がお手伝いをさせていただいたご縁でAKSさんや秋元康総合プロデューサーともつながりがありました。そういった中で両社のお話をうかがっていくうち、何か面白い化学反応が起きるのではと思い、当時は代理店という立場ではありましたが藤澤会長にお話をさせていただいたのです。

 ――買収候補にはHKT48やNGT48も挙がった?

 赤塚社長:最初は他にも候補は挙がりましたが、藤澤会長が岐阜出身ということもあってSKE48になりました。

 ――その流れの中でSKE48の運営会社社長になるということに

 赤塚社長:最初はそういう話は全くなくて。藤澤会長も何人か候補を考えていたと思いますが「やってみないか」とお話をいただきました。ただ僕はallfuzもやっている。引き受けるからにはallfuzとSKE48をKeyHolderグループの中で回していく体制じゃないと中途半端になる。なのでallfuzもグループインして一心同体としてやっていった方がいいなと思ったんです。

【注】3月に赤塚氏は株式会社SKE(現・株式会社ゼスト)の社長に就任。また株式会社allfuzは4月にKeyHolderの100%連結子会社となった。

 ――allfuzでは乃木坂46とも仕事をされている

 赤塚社長:セブンイレブンさんのフェアでAKB48さんと同じように乃木坂46さんを起用した際にお手伝いさせていただきました。また「乃木恋」という公式ゲームアプリを制作させてもらって一緒にやっています。

 ――「乃木恋」は700万ダウンロードを超える大ヒットゲームアプリとなった

 赤塚社長:秋元さん、ソニーさん、乃木坂46の皆さんのお力です。

 ――48グループは乃木坂などの46グループの勢いに押されているのが現状。ここからSKE48を上昇気流に乗せていくためには何が必要か

 赤塚社長:やはりいろいろな仕掛けや挑戦はしていかなければいけないと思います。インドネシアのジャカルタにあるJKT48との連携やゲームのノウハウなどもうまく生かしていきたい。最近、公式ゲームアプリ「SKE48の大富豪は終わらない!」をスタートさせています。

 ――NGT48騒動ではメンバーと一部ファンの間でつながりがあったにもかかわらず不問となった。信賞必罰が徹底されなかったことでファンの信頼を失った部分もある。同じ48グループとして、あの対応についてはどう考えていますか

 赤塚社長:大きな意味でいえば非常に勉強になったなと思います。スタッフ、アーティスト、ファンの皆さんのコミュニケーションが大事。我々はアーティストとファンに対して真摯に向き合っていくことが非常に重要だと思いました。

 ――SKE48でスキャンダルが起こった場合はファンに対して真摯に対応していく

 赤塚社長:ファンあってのSKE48です。これは藤澤会長とも話しているのですが、責任の所在を明確にし、まずはファンに対しての説明を真摯にさせていただくことが一番だと思います。そこで我々が取り組んでいることが一つあります。識学という会社とパートナーを組ませてもらって現在、ルールブックのようなものを作っています。スタッフもアーティストもルールに従っていく。ルールを破れば「それはダメだよね」と誰もがわかりますから。

【注】株式会社ゼストは5月に東証マザーズ上場企業「株式会社識学」と識学トレーニングの提供に関する契約を締結。識学とは「株式会社識学」が提唱する独自の組織マネジメント理論でサッカー・J1の大分トリニータや早稲田大学ラグビー部など1000社を超える企業や団体が導入している。

 ――最近の48グループではスキャンダルが報じられても、それに対して説明が行われないケースもある。SKE48はしっかり説明をしていきますか

 赤塚社長:もちろんそれは内容によると思います。僕らがルールを作ってルールに基づいてやれば説明すべきかしないべきなのかというものもある程度見えてくる。AさんはするけどBさんはしないということはせず、ルールの下でやっていきたいと思っています。ファンの方々の信頼にしっかりと応えていきたいですね。(あすに続く)  

☆赤塚善洋(あかつか・よしひろ)=1977年4月18日生まれ。東京農業大学卒業。エイベックス・マネジメント(株)などを経て2012年5月(株)allfuz代表取締役に。3月から株式会社SKE(現・株式会社ゼスト)の代表取締役。