アイドルグループ「AKB48」が17日、埼玉・ウェスタ川越で全国ツアー「楽しいばかりがAKB!」埼玉夜公演を開催し、1700人を魅了した。

 約4年ぶりとなる全国ツアーは、先月7日のNHK大阪ホール公演を皮切りに、今回が4か所目。これまではツアー独自の選抜メンバーが出演してきたが、関東圏で行うツアーはAKBの各チームごとに公演を行う。

 夜公演は、前座としてチームK研究生の末永祐月(13)と永野恵(15)が「となりのバナナ」を初々しくデュエットで披露し、幕を開けた。

 本編はキャプテンの込山榛香(20)、峯岸みなみ(26)、矢作萌夏(17)、倉野尾成美(18)らAKBチームKメンバー19人が出演し、チームK公演曲「エリアK」「ゼロサム太陽」「RESET」など全25曲を披露した。

“体育会系”という特徴を持つチームKらしく、抜群の結束力と全力の熱いパフォーマンスを展開。同時間帯に会場外では「小江戸川越花火大会」が行われていたが、負けない熱気に包まれた。

 そんな中、存在感を発揮したのは最年長の峯岸だ。2005年にAKB1期生として加入し、今も活動する唯一の初期メンバーでもあり、峯岸は「『まだAKBなんだ』とか『元AKB』と言われることが多くて。私が出てきてビックリしたファンの人もいると思う」と自虐気味に話しつつ「アイドルということを思い出してもらえるぐらいに頑張りたい!」と気合を入れた。

 そんな峯岸は意外と知られていないものの、“歌ウマ”メンバーでもある。これまた、グループ随一の歌唱力を持つ小田えりな(22)とデュエットでバラード曲「また あなたのことを考えてた」をしっとりと歌い上げ、会場を驚かせた。

 歌唱後、峯岸は出来栄えの良さに小田とハイタッチを交わし、これ以上ないドヤ顔を見せた。

 アンコール後は割れんばかりの「チームK」コールが鳴りやまず、込山は「本当に皆さんの声援と笑顔で、チームKみんなで楽しむことができました」と感謝。峯岸が「(込山は)マネジャーと戦いながら、今のチームKを全部背負ってた。このツアーを動かしてくれたのはキャプテン。皆さん、大きな拍手を!」と叫ぶと会場から温かい拍手が湧き起こり、込山の目には熱い涙があふれた。

 峯岸にメッセージを促された込山は「伝えたかったのは、卒業でメンバーを見送ったりしたけど、卒業したメンバーが活躍しているのも希望ですし、昇格したメンバーも希望ですし、新しいチームができているのも希望」と心境を明かした。

 形あるものを壊して新たなものを作るという思いを込めたチームK公演曲「スクラップ&ビルド」の歌詞になぞらえて、込山は「“改革の鉄球を振り下ろせる”ように、このチームKのステージで見せられたらうれしいです。メンバーがすごく楽しんでいることがうれしい」と勢いがないといわれるグループの変革を誓った。

 また、昨年12月に正規メンバーに昇格したばかりの矢作は、AKBの56枚目シングル「サステナブル」(9月18日発売)で初センターを務める。公演を終えた感想を聞かれると「地元の埼玉でできてすごくうれしいです…」と言葉に詰まり、涙をこらえ切れない。チームKカラーである「緑」のペンライトが広がる光景に「緑のカラーのペンライトがすごくきれいで、うれしかったです」とファンの熱さに感謝した。

 同ツアーは全国10か所を巡り、10月の北海道・苫小牧公演まで全20ステージを行う。