事実上の活動休止状態だった新潟を拠点とするアイドルグループ「NGT48」が3日に東京・お台場で行われたアイドルイベント「TOKYO IDOL FESTIVAL 2019」(TIF)に出演。約3か月ぶりにグループとしてパフォーマンスし、本格的な活動再開に動きだした。定期公演を8月下旬にも再開する見込みであることも判明。“地元重視”の姿勢でNGT48は浮上できるか。

 グループとしてステージに立ったのは、4月27日にAKB48グループが総出演した「春のLIVEフェス」(横浜スタジアム)以来、約3か月ぶりとなった。

 午前9時10分スタートという“前座”扱いだったが、全メンバー34人が出演。初のオリジナル曲「Maxとき315号」など計5曲を熱唱し、涙を流すメンバーの姿もあった。

 冒頭で荻野由佳は「デビュー前からNGT48を応援して支えてくださった新潟県の皆さまにまた受け入れられるように、また私たちを信じて、応援して待ってくださるファンの皆さまに“待っていてよかった”と思っていただけるように精一杯頑張らせていただきたい」と誓った。

 1月に元メンバー・山口真帆(5月に卒業)の暴行被害事件が発覚。事件はグループ運営側の対応が問われる騒動に発展し、地元イベントの降板などのダメージを負った。それ以後、新潟市内のNGT48劇場での定期公演は一度も行われていなかったが、8月下旬にも再開される見込みであることも分かった。

 現在、グループ公式サイトに15日までの劇場スケジュールが掲載されているが、定期公演の予定はない。ただ、メンバー・村雲颯香の卒業公演が今月末に予定されている。関係者によると、卒業公演よりも前に再開する見込みだという。

 すでに地元・新潟のメディアやスポンサーなどにも運営スタッフはメンバーを連れて訪問。騒動について改めて謝罪するとともに、活動再開についての説明などもしているという。

 国内に6つある48グループの中で最も「地域密着」を掲げて活動してきたNGT48。活動再開が受け入れられるか否かは「地元の理解が得られるか」にかかっている。

「山口への暴行被害事件発覚後、運営側が初めて会見という形で取材対応した場所は新潟ではなく、東京。しかも、地元メディアに会見を行うことを伝えておらず、大変な反発を招いた。その後も新潟県や新潟市、スポンサーなどへの説明も後手後手に回り、“地元軽視”というメディアの厳しい論調も続いた。これが活動を停滞させた要因の一つでもある。地元各所への説明を真っ先に行ったのは、その反省もある」(芸能プロ関係者)

 それでも事実上の活動再開の場として、たとえ“前座”といえどもTIF出演を選んだことには賛否両論あるという。

「新潟のファンからは『まずは地元でライブをしてほしかった』という声も聞かれる。それでもTIFサイドから熱心なオファーを受け、メンバーやスタッフは悩みながら決断したのも事実。近く再開される定期公演や地元での活動で信頼に足る姿を見せられるかが、再浮上のカギを握っている」(音楽関係者)
 地元の自治体、企業、メディア、そしてファンを含めた県民が本格的な再始動に注目していることだけは間違いない。