NGT山口真帆暴行事件で発覚した暴走ファンの悪質接近手口

2019年01月16日 11時00分

被害に遭った山口真帆

 第2、第3の“暴走ファン”を防げるのか。アイドルグループ「NGT48」の運営会社スタッフ3人が14日に都内で、男性ファン2人によるメンバー山口真帆(23)への暴行事件について初めて取材対応した。事件は被害者の山口の告白で初めて公になったが、運営サイドは「隠蔽」の意図なしと強調。劇場支配人を事実上更迭した上、第三者委員会を立ち上げるという。事件の衝撃が収まらぬ中、過激ファンがアイドルとの接点を探す悪質な手口が浮かび上がった――。

 14日、会見したのは、運営会社「AKS」の運営責任者兼取締役の松村匠氏と、新たにNGT48劇場の新支配人に就任した早川麻依子氏、同副支配人に就任した岡田剛氏の3人。事件時の劇場支配人だった今村悦朗氏は同日未明、公式HPを通じて異動になったことを発表していた。事実上の更迭だが、関係者によると今後は東京でNGTならびに48グループのサポートを行うという。

 今回の事件が混乱を招いたのは、発生したのが先月8日だったにもかかわらず、発覚したのが今月9日だったこと。しかも、あろうことか被害者である山口が告発したからだ。運営側の発信は公式HPのみで、今村氏は取材対応しなかったため、情報が錯綜する事態になった(本紙既報)。

 その理由について松村氏は「警察の捜査状況も鑑みていたのが、一番大きな理由です」と隠蔽疑惑を否定。また「メンバーの保護を優先した。発表することで2次的、3次的な被害が及ぶのではないかと考えてしまいました」と説明した。ただ被害者から発覚したことについては「本人とのコミュニケーションをしっかりと取っていなかった私たちの責任です」と謝罪した。

 一部で、メンバーと犯行グループが同じマンションに住んでいたことが報じられた。運営側も山口の帰宅時間などを加害者の男に教えたメンバーがいることを発表していたが、そのような事件の“核心”について同氏は「警察の捜査内容に関わることなので、こちらでのコメントは差し控えたい」とし「メンバーの行動について違法性はないと警察の方から見解をいただいた」と強調した。今後、数人の弁護士を入れた第三者委員会を設置して、独自に事件を調べる予定。その目的は事件の解明と再発防止策を立てるためで、同時にメンバーへ今後、指導を行うという。

 だが、警察はすでに捜査を終え、加害者は不起訴処分になっている。にもかかわらず事件の詳細が公開されないのは疑問が残る。それでも、第三者委員会を設置するのは、要するに暴走ファンへ情報を流したメンバーは誰なのか、という“犯人捜し”というより、あくまで事件再発を防ぐための調査ということだ。

 再発防止もどこまで可能なのか。今回の事件で改めて浮き彫りになったのは、暴走するファンの存在。それが「NGTの場合、顕著になりやすい」と芸能プロ関係者が指摘するのだ。

「AKB48(東京)、SKE48(名古屋)、NMB48(大阪)など大都市にあるグループと違って、NGT48は新潟を拠点にし、地方アイドル色が強い。狭いエリア内なので、ファンとメンバーの行動範囲が重なることが多く、偶然を装って会うことだって可能です。そうやってプライベートで“親密”になってしまう一部メンバーがいることに山口ら真面目なメンバーは、許せなかったのでしょう」

 関係者によると、創成期を除けばAKB48グループには“恋愛禁止”のルールは、人権問題の観点などもあり、契約書に存在しないという。それをいいことに、一部のファンは何とかしてプライベートで接触しようと次第に暴走。もはや手段を選ばないえげつなさなのだ。

「例えば、メンバーが部屋でインターネット配信をしている時、ファンが外で大声で叫び続ける。その声が配信に入れば、マンションを特定できる。地方都市ならメンバーが住めるようなセキュリティーのマンションは限られますから。また、レンタルビデオ店などで会員になる際に住所を書き込みますが、店員のファンが住所録を無断で横流しすることも。個人情報保護法にも抵触する行為です」(前同)

 これら“一部の暴走ファン”に何らかのメスを入れなければ、第2、第3の山口が出る可能性は高い。かといって、40人ほどもいるメンバー全員に24時間護衛をつけるわけにはいかず、運営側は大きなジレンマを抱えることになる。

【事件の経緯】昨年12月8日午後9時ごろ、山口の自宅玄関前に男2人が押しかけ、山口の顔や手を押さえ込むなど暴行した。2人は翌9日に新潟県警に逮捕されるも同28日に不起訴処分になった。山口は今月9日、ツイッターなどで男たちに襲われたことや、メンバーが帰宅時間や家、部屋を教えたり、犯人をけしかけたと投稿。運営側は10日に「あるメンバーが山口さんの自宅を知らないものの、推測できる帰宅時間を伝えた」と、関与を認めるコメントを発表した(具体名は非公表)。劇場公演3公演の中止を発表し、再発防止策として全グループのメンバーへの防犯ベルの支給、各自宅への巡回等の徹底を発表した。

 また、14日に運営側は「メンバーの中に違法な行為をした者はいない」と新たなコメントを発表。今後は、第三者委員会に調査を委ねる方針だ。

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