アイドルグループ「SKE48」元メンバー・矢方美紀(26)が24日、東京・文京区の東大病院で行われたメディア向けセミナー「乳がん検診最前線―乳がんは唯一、自分で見つけられるがんです―」に出席した。

 同セミナーに参加した東大医学部付属病院放射線科の中川恵一准教授は「がんにかかる確率は男性の方が大きいが、若いうちは女性が大きいです。なぜかと言うと、乳がんのピークは40代後半。がんの原因は老化が主ですが、女性の場合は女性ホルモンが乳がんに影響してきます」と現状を説明する。

「がんについてはどんなに気をつけていても、運の部分もあります。がんにならない生活習慣と自己触診とマンモグラフィー。閉経後は肥満に気をつけてください」と話した。乳がん発見の契機は56%が自己触診で「がんは硬いんです。江戸時代のがんと言えば『乳がん』。触ってわかるがんは乳がんだけだった。がんは『岩』。乳癌でなく『乳岩』と表現しました」(同准教授)

 同准教授は「日本人はがんのことを知らないです。教えてきていないからしょうがないですが」と話し、正しく理解していない部分も多いという。

 例として、昔から「焦げた部分を食べたらがんになる」という例を上げ、「t(トン)単位食べないとなりません」と同准教授。「先進国の中でがん死亡が高くなっているのは日本だけです」。体や健康に対する知識を増やす「ヘルスリテラシー」の重要性を挙げた。

 文部科学省のホームページにもがんに関する教材が多くあるという。同准教授は「今後、子供たちへのがん教育が進みますが、教育を受けていない大人たちが、正しいがんに対する知識を得ることが必要」と訴えた。