漫才新人大賞の「おちもり」誕生秘話 大阪の養成所知らなかった“幸運”

2018年05月05日 16時30分

「おちもり」の越智悠介(右)と森佳樹

 漫才協会が主催する「平成30年度 第17回漫才新人大賞」が4日、東京・国立演芸場で行われ、コンビ結成6年目の「おちもり」が優勝した。

 おちもりは越智悠介(25)と森佳樹(28)のコンビ。過去に芸人としてのテレビ出演は一度もなく、漫才日本一を決める「M―1グランプリ」も最高が2回戦進出という、一般的には全く無名のコンビだ。

 現在の芸人としての収入は「1か月1万2000円。浅草の東洋館の出番と、師匠の楽屋のお茶出しとかのお手伝い」。それではもちろん生活できないため、2人ともバイトで生計を立てている。越智は浅草のジェラート屋で週4~5回働き、夜は居酒屋も掛け持ち。「ダブルでやらないと水道が止まる」。一方の森は「映画館でポップコーンをよそうバイトをしている」と明かした。

 漫才新人大賞の優勝賞金は10万円と他の賞レースに比べると少ないが、2人は「でかいっすねえ!」と大喜び。越智は「とりあえずパスモに1万円分、チャージする。いま財布に500円しかなくて、電車に乗れないんで」。森は「リアルに家賃が1か月分滞ってるので、それを払いたい。家賃は1か月、4万7000円で、ちょうどなんで」と話していた。

 大阪出身の越智と鹿児島出身の森は、ワタナベエンターテインメントの養成所で知り合った。だが越智は当時、関西の大学に通っていたため、週末になるとわざわざ東京に出てきたという。

 吉本興業の吉本総合芸能学院(NSC)をはじめ、大阪にも養成所はあるが、なぜ東京まで通ったのか? 

「実は大阪に養成所があるって知らなかったんです。平日にバイトしておカネをためて週末に東京へ行く、という生活でした」

 大阪と東京を毎週、往復するとなると交通費もバカにならない。いま思うとかなりの出費だが、おかげで漫才新人大賞で優勝できる相方と巡り合ったのだから、ムダではなかったようだ。