永瀬正敏(51)、夏木マリ(65)、岩田剛典(29)、美波(31)、河瀬直美監督(48)が26日、都内で映画「Vision」(6月8日公開)の完成報告会見を行った。

 この映画は、奈良・吉野の神秘的な森を舞台に、人々と自然との関わり合いをテーマに描いた、河瀬監督10作目の作品だ。世界三大映画祭すべてで女優賞を受賞しているジュリエット・ビノシュ(54)も出演しており、注目を集めている。

 永瀬は「前日に試写を見ました。大体、河瀬監督の作品を見終わったときは、その場から立ちあがれない(ぐらい衝撃を受ける)んですが、今回は家に帰ってから震えが止まらないんです。結局、寝ないで会見に来ましたよ」と笑った。

 河瀬監督といえば、独特の撮影手法で知られる。過去に2度、同監督の作品に出演している永瀬は、今回もその洗礼を受けた。

「山守の役なんですが、クランクイン前に1週間実際に山で暮らすんですよ。チェーンソーのやり方を教えてもらったり、お風呂をかまどでたいたり。雨が降ると水道が止まる、そんな生活ですね。演じるというより、その役に生きる感じです」

 河瀬作品初参加の岩田も戸惑うことばかり。まず、衣装合わせのときに共演者がいてもあいさつしてはいけなかったという。

「永瀬さんとも俳優としてあいさつに行きたかったんですが…。本番でカメラが回っているときが初対面になりました。要するに監督はその瞬間を切り取りたいんです。一番大事にされていますね」

 岩田も山守だったため、当然永瀬のような生活を要請された。すると「三代目 J Soul Brothers」のメンバーから「大丈夫? 顔つきや目つきが本当に山の人になっているよ」と指摘を受けたようだ。

 それでも、ようやく完成された作品に出演者たちは感無量といった様子。河瀬監督のこだわりにこだわり抜いた今回の映画は、見応え十分のようだ。