美容外科「高須クリニック」を運営する愛知県西尾市の医療法人が、大西健介衆院議員(47=希望の党)の発言が名誉を毀損したとして、大西氏と当時所属していた民進党などに計1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は23日、請求を棄却した。

 昨年5月、民進党所属だった大西氏が厚生労働委員会で美容外科の広告勧誘について質問。そのなかで固有名詞と連絡先だけを連呼するCMを「陳腐だ」とし、例として「イエス! ○○クリニック」と挙げた。

 これに激怒した高須克弥院長(73)は、大西氏とともに当時の民進党代表だった蓮舫参院議員(50=立憲民主党)を相手取り、損害賠償を求めていた。

 判決で河合芳光裁判長は「(大西氏の発言は)同クリニックの社会的評価を低下させるものではない」と認定。高須氏の訴えを退けた。

 公判後、取材に応じた高須氏は「想定内の判決。僕は『陳腐』という言葉に傷付いた。でも日本の裁判制度では個人の心情は加味されない。遅れてるよね。これがアメリカだったら、僕が勝っていますよ」と納得いかない様子。一両日中に控訴予定で「最高裁までいくのが夢」と宣言した。

 同伴したパートナーで漫画家の西原理恵子氏は、スケッチブックに高須氏の“激おこイラスト”を書いて、敗訴を共に悲しんだ。

 日本の将来を憂う高須氏は政界の話題にも言及。財務省の福田淳一事務次官のセクハラ問題については「(会話の)全体を見ないと分からないよね。僕らの時代でセクハラといえば、亡くなった森繁久彌さんやみのもんた。でも、あの2人は大丈夫じゃない!? ケース・バイ・ケースだと思うよ」と語った。

 北朝鮮問題など刻々と動く国際情勢のなか、日本だけが出遅れている印象も与えている。高須氏は「とにかく一日でも早く解散総選挙をやって仕切り直すべき。不倫なんかしている問題議員もバッサリ落とさないといけない」と力説した。