SNS上で知り合った14歳の少女を連れ去り、新潟県十日町市の住宅で寝泊まりさせたとして、警視庁捜査1課は23日までに、未成年者誘拐の疑いで住所不定、職業不詳の明石崇広容疑者(38)を逮捕した。逮捕は21日。容疑を認めているという。

 逮捕容疑は1日、SNSで家出をほのめかした都内在住の少女にアイドルのプロデューサーだと名乗り、「家が嫌なら迎えに行くよ」「ウエートレスやらない?」などとメッセージを送り、東京・八王子市の高尾駅周辺で少女を車に乗せ、十日町市の住宅で寝泊まりさせた疑い。料理など身の回りの世話をさせていた。住宅は明石容疑者とは別名義だという。

 警察は少女の家族から相談を受けて行方を探していたが、明石容疑者は3日に少女が「家に帰りたい」と話したことから、高尾駅近くのコンビニ駐車場で解放した。

 防犯カメラの画像から明石容疑者が浮上。21日に東京・秋葉原駅周辺にいたところを捜査員が発見、逮捕した。同じ住宅に昨年7月から別の少女(19)を住まわせており、捜査1課はこの少女も21日に家族の元に帰した。

 明石容疑者を知る芸能関係者は「遅かれ早かれ逮捕される人だと思っていた」と話す。かつて、明石容疑者は東京・秋葉原のJKリフレ店や、ガールズバーを全国で経営する実業家だった。「大阪にタワーマンションを所有するほど勢いがあった」という。

 だが、どう喝まがいの行動で同業者ともめることもしばしばだった。あるリフレ店の元従業員は「自分の店の女の子が他店で働いているのを知ると、ヤクザまがいの男たちを引き連れて乗り込み、謝罪を要求させていたのを見た」と振り返る。

 評判を下げたのは、抱える従業員の女の子に手を出すことも一因とみられる。「18歳以下でも平気と噂されていた。リフレやガールズバーの女の子だけでなく、自分がプロデュースするアイドルも何人も食ってた。少なくない数の女が泣きを見ている」(前出関係者)

 今回の事件で明石容疑者は「プロデューサー」を名乗って少女を誘拐していたわけだが、アイドルのプロデュースを手掛けていたのは「事実」だ。なかでも、特に人気になったのが、きゃりーぱみゅぱみゅ(25)をほうふつとさせるルックスのアイドルXだ。

「明石の持っていた芸能事務所に所属していて、明石とXが男女の関係だったことは有名な話だった。最終的にXが逃げるように事務所を離れて関係は断ち切られた。しかし、未練タラタラの明石は『他の事務所で他の男と仕事するなら、オマエを芸能界で仕事できなくしてやる』と脅していた。Xも明石の嫌がらせには困っていた。逮捕にはホッとしているかもしれない」(同)

 しかしながら、先のリフレやガールズバー経営は失敗。経営が傾き、タワマンも売却して右肩下がりの状況にあったという。それでも地下アイドルのプロデュースは細々と続けており、「Y」というグループのメンバーをSNSで集めていた。

「地下アイドルは運営側はそこそこ儲かるシステム。カネも性欲も満たせる地下アイドルの運営から離れることなんて考えられなかったんだろう」(アイドル業界関係者)

 Yのメンバーが働くカフェも20日にオープンしたばかり。逮捕の報道があった24日も通常通り営業していた。「明石の存在はなかったことにして続けていくんだろう」(同)

 他にも反社会的な行動の情報が集まっており、警察では余罪を含め慎重に調べている。