元SMAP3人が主演して話題のオムニバス映画「クソ野郎と美しき世界」(19日まで)の観客動員が20万人を突破したことが17日、明らかになった。その一編で、草なぎ剛(43)主演のパート「光へ、航る」で脚本・監督を務めたお笑いコンビ「爆笑問題」の太田光(52)が本紙に衝撃の激白だ。太田は、脚本を巡って3人が所属する「CULEN(カレン)」の社長で、かつてSMAPのマネジメントを担当した飯島三智氏と「大ゲンカした!」という驚きの舞台裏をぶっちゃけた。

 反響ってのがよく分かんないんだよね。ただ、目標動員の15万人を突破して20万人か。良かったね、でも、その基準の数字ってどうなんだろうね? ヒットなのか、オレには分かんない(笑い)。オレのエピソード(「光へ、航る」)の反応? 周りのスタッフは良かったって言うけど、それは身内だからね。映画ライターの評判良かったって? やっぱりな(笑い)。

 作品に関して言うと、デジタル撮影したものをアナログに焼いて、またデジタル変換してとか、結構、手の込んだことをやってる。で、やっぱり映像も全然良くてさ。自然光で撮ってるとやっぱいい。美術もそうだし、音響もすごくて。沖縄の海のシーンでは、沖縄にしかいない鳥の鳴き声とかを入れててさ。車のナンバーも「324(光代=妻で所属事務所社長)」ってスタッフが遊び心で入れてくれてて。みんながノってやってくれてた。オレのやりたいことが伝わってて、スタッフとは十分に意思疎通できてた。

 実は脚本を巡ってはさ、「CULEN」の飯島さんと大ゲンカだったんだよ。クリスマスイブの夜だった。いまは「あの時は本当にひどかった」って笑い話になってるぐらい、最初の打ち合わせでモメにモメてたから。

 理由は、草なぎ君のセリフで「文春砲」とか、まあ、爆笑問題の漫才というかそういう軽妙なセリフ回しがあって、それが飯島さん的には軽い漫才みたいに見えて、引っ掛かったみたい。本当にどうなることかってぐらいモメたから。「これじゃダメです!」って飯島さんが。シリアスな内容って、シリアスばっかりだったら面白くないというか、シリアスの中にちゃかしたり“軽さ”があるからいい。それをすごく説明したんだけど、分かってもらえなかった(苦笑)。

 でも、映像になると全然違うものになってるし、それは飯島さんも出来上がったものを見て、納得してくれた。

 草なぎ君は大人になったでしょ? 俺もモニター見てて「やっぱりいろんな経験するとこうも変わるのか」って思った。表情がすごかったよね。ヒロインの尾野(真千子)さんも良かったし、若手俳優の健太郎も良かった。映画もオムニバスで逆に良かったよね。ガチャガチャしてたけど、最後、歌に集約してってさ。本当に、あの3人(稲垣吾郎、草なぎ、香取慎吾)はさ、すごい“攻めてる感”が出ているよね、結果的にさ。やりたいことができているっていうか。いろんなことがあったんだろうけどさ、今後どうなるか分からないところが、逆に面白くなってるというか。

 でも、思いのほか3人がひょうひょうとしてるんだよね、いろんなことがあったと思うんだけど、それを楽しんでるっていうのかな。やっぱりトップアイドルっていうのは、どこか浮世離れしてるんだなって。(元)SMAP5人でオレが映画を撮る? それは荷が重すぎるな(苦笑)。5人が揃うっていうのもそれは美しいことだとは思う。けど、それぞれ頑張って、それぞれの道を歩んでるのも、それはそれでいいしね。それより、まずは、自分の作品を撮らないといけないね。コメディーを撮りたいんだよね。

 実は、今回の作品も、自分自身にプレッシャーがかかってたことを、作品ができてから気づいた。

 試写室で3人と見てさ、終わってみんなが喜んでくれた時に初めて「あ、自分にもプレッシャーがあったんだと。ああ、ちょっとホッとしたな」って。やっぱり3人にとっては船出の映画だからさ。いいのができて良かったなあって。