成田童夢が腰椎圧迫骨折 スノボ大会出場も13キロ増の体重を受け止め切れず

2018年04月09日 21時34分

入院中の成田童夢(本人提供)

 緑夢よ、次はお兄ちゃんの番だ!とはいかなかった。トリノ五輪スノーボードハーフパイプ日本代表でポップカルチャータレントの成田童夢(32)が、腰椎圧迫骨折の重傷を負って入院したことが9日、わかった。

 童夢は7~8日に開かれた優勝賞金日本一の大会「スノーボードマスターズ」(新潟・赤倉観光リゾートスキー場)に出場。8日の競技「フリーライディング&ストレートジャンプ」で着地した瞬間、腰に激痛が走って倒れ込み、救急車で緊急搬送された。

 この大会はスノボ好きの有名作家・東野圭吾氏(60)が発起人になり、男子の優勝賞金は200万円、女子は100万円の国内最高額大会だ。今回も五輪出場経験のある選手が5人もエントリーしており、レベルは高い。

 童夢は8年ぶりの大会出場にもかかわらず、たった3日間の準備をしただけで臨んだ。「天候がよく、体調もよかったので体が動いた。久々に出て楽しいなと浮かれて、K点を軽く越えるキャブ900(2回転半)をかましたら、飛び過ぎて斜面を過ぎ、平面まで行ってしまった。足からきれいに着地したが、衝撃がすごくてモロに腰にきた」と説明した。

 原因ははっきりしている。体重増と筋力不足だ。「現役時から13キロ体重が増え、筋肉も落ちている。それで衝撃を受け止め切れなかった。自分の見立てが甘かった」と反省するばかりだ。

 続けて「救急車の中でサイレンの音を聞きながら『自分の時代は終わったな。後進に道を譲ろう』と絶望的な気持ちになった。賞金をもらうどころか、逆に入院費を払うハメになった」と肩を落とした。

 仲間内では仲良し夫婦として有名な童夢だが「家内は『ケガだけはやめてね』と言って送り出してくれたが、本当に賞金もなくケガだけして帰ってくるとは、とあきれている」と明かす。

 ただ、ここで負けるわけにはいかない。弟の緑夢(24)は練習中のケガで障害を負いながらも夢を諦めず、平昌パラリンピック男子スノーボードバンクドスラロームで金メダルを獲得した。現地で声援を送った童夢が刺激を受けるのは当然だ。そして緑夢が引退した今、バトンを受け取った気持ちになったのだろう。

 収穫はある。大会に挑んだことで、父から叩き込まれた技術と厳しい練習で身につけた感覚は、決してさびついていないと確認できた。

 大麻の使用など素行不良がたびたび問題になるスノボ界で、童夢は心身ともに健全な選手を育て、日の丸を背負って世界に羽ばたかせたいという夢がある。そのためには再び指導ができる体をつくらねばならない。童夢の新たな挑戦はまだ始まったばかりだ。