路上で女性に抱きつきケガを負わせたとして、警視庁世田谷署は6日までに、強制わいせつ致傷容疑で俳優の青木玄徳(つねのり)容疑者(30)を逮捕した。

 容疑は3月4日午前1時半ごろ、世田谷区三軒茶屋のキャロットタワー前で、信号待ちをしていた30代女性に背後から突然抱きつき、両手で胸を強くもみ、首と腰などにケガを負わせた疑い。前日夕方から仲間らと新宿、渋谷をハシゴ酒。解散後、犯行現場近くで午前1時まで1人で痛飲していた。

 防犯カメラや目撃情報によると、計4人の女性に同様のハレンチ行為をしている。被害に遭った女性は3人目だ。犯行直後に4人目に抱きつき、それを見た通行人の男性に捕まえられそうになったが、振り切って逃走した。「好みとか関係なく、目についた女性を襲った。強い痛みを感じるほど胸をわしづかみにした」(同署)

 30分足らずの蛮行はまさに“ケダモノ”。「見知らぬ女性に後ろから抱きつき、両胸をもんだ」と容疑を認めている。

 青木容疑者は出演した「仮面ライダー鎧武」(2013年)では「仮面ライダーデューク」を演じ、悪役ながら主役に劣らぬ人気を誇った。撮影スタッフは「すでにミュージカル『テニスの王子様』で活躍して、ライダーのときには固定ファンがついていた」と振り返る。

 役者仲間の間では「飲むと気が強くなる」ことで有名だった。「先輩俳優の前ではおとなしいけど、後輩と飲むときは先輩風を吹かす“部活のOB”タイプ。演技論をぶつけてきては感極まって泣いたりするから、面倒くさがる後輩もいた」(芸能関係者)。女性が同席すると「『俺に抱かれろ』と上から目線で口説いていたようだ」(前同)という。

 14日に予定されていた主演映画「闇金ドッグス8」の初日舞台あいさつは中止に。警察では4人目の被害者にも話を聴いている。「報道を受けて残り2人も被害を報告してくれるかも」(同署)。再逮捕、場合によっては出演作に傷をつけた損害賠償も待ち受ける。ハレンチ行為の代償は小さくない。