元SMAPで“ジャニーズ残留組”の木村拓哉(45)が1年ぶりに主演した1〜3月クールの連ドラ「BG〜身辺警護人〜」(テレビ朝日系)は、全話平均視聴率15・2%だった。

 同クールのドラマ視聴率トップは、後輩グループ「嵐」松本潤(34)が主演した「99.9—刑事専門弁護士—SEASONII」(TBS系)の17・6%。木村としては悔しいだろうが、テレ朝では「BG」が看板ドラマ「相棒 season16」と並ぶ2位タイだったため、反応は上々だ。

「制作費が高いから9話で終了したけど、『評判が芳しくなかったキムタクを起用してこの数字なら大成功』と話す関係者、局員は多い。最終回が次につながるような展開だったから『シリーズ化されるのでは』と噂になってる。『相棒』や『ドクターX』『科捜研の女』のようなドラマになれば、来年の開局60周年に向けて局内の士気が高まる」とはテレ朝中堅社員だ。

 ドラマの撮影は、3月15日の最終回直前まで行っていた。同11日正午過ぎには、東京スポーツ新聞社(東京・江東区)の目と鼻の先にある“ビンテージマンション”でロケ。木村演じるボディーガードが息子と暮らすマンションの外観として使われた建物だ。

 本紙記者がたまたま通りかかると、マンションの入り口をガードしていた若い女性スタッフが、立ったままウトウトしていたのか、台本を落とし慌てて拾っていた。「ずいぶん緩い現場だな。バラエティー番組か何かのロケか」と思って通り過ぎると、周辺にいたスタッフ約15人のほとんどがお揃いの黒いスタッフジャンパーを着ており、背中にデカデカと「BG」と書いてあるではないか。

“天下の”キムタクドラマにしては、ドラマ内容のような物々しさはなく、むしろほのぼのとした雰囲気。遠目から建物を見上げると、黒っぽいスーツ姿の木村が角部屋のカーテンを開け閉めし、ベランダから何度も顔をのぞかせていた。

 撮影の様子が一望できる隣接マンションの植え込みを陣取り座っていたのは、昼下がりの下町には到底似つかわしくない、水商売風の厚化粧美女3人組。「あれ、キムタクですよね?」と声をかけると「分かりません。他の人に話しかけてください」と素っ気なく、明らかに様子がヘンだった。ロケ現場にスマホを向け撮影を試みると、すぐさま「写真を撮らないでください! 何なんですかあなた!」と鬼の形相だ。

 どうやらこの3人、ジャニーズ用語で俗に言う「オリキ」(追っかけにリキが入っている熱心なファン)で、現場で木村の“身辺警護人”的な役割を買って出ていたのだ。誰も頼んでないのに…。撮影スタッフも黙認状態で、みんな見て見ぬふり。その威圧感、存在感といったら、ドラマで木村が演じるボディーガード顔負けだ。撮影を見に来た近隣住民は徹底的に排除され、1ブロック先の交差点で遠巻きにロケの様子を眺めるしかなかった。

 これでは、スタッフがお揃いのジャンパーを着て近隣住民に「BG」を宣伝している意味がないではないか。そう思って地元民に話を聞くと、実に冷めた答えが返ってきた。

「あのマンション、内館牧子のドロドロ恋愛三部作の一つ『年下の男』(TBS系、2003年)とか、結構ドラマロケで使われてるの。13年前、亀梨(和也)と山P(山下智久)がダブル主演した『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)でも、亀梨演じる修二が住むマンションの外観として使われてるし…。この辺の人たちはみんな、それを知ってるから“なんだキムタク、後輩ジャニーズのお古(のロケ現場)を使ってるのか”って思ってるんじゃない?」

 実際に本紙記者も当時、このマンションの下で自転車にまたがり撮影待ちする彰役の山下を目撃している。亀梨と山下が「修二と彰」名義で歌ったドラマ主題歌「青春アミーゴ」はダブルミリオンヒットとなり、これで2人は一気にブレークした。

 ちなみに「野ブタ——」の平均視聴率は16・9%だった。時代は違えど「BG」の視聴率はそれに届かず、松潤ドラマにも今回負けては、やはりジャニタレの世代交代を感じずにいられない。

(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)