将棋の最年少棋士・藤井聡太六段(16)が5日、大阪市の関西将棋会館で行われた第44期棋王戦予選で、古森悠太四段(22)との新年度初対局に臨み、145手で勝利した。

 名古屋大学教育学部付属高へ進学し、高校生棋士として初めて迎えた対局。古森四段とは、2月14日の新人王戦でも対戦しており、藤井六段(当時=五段)が85手で勝利した。バレンタイン対局とあって、藤井六段に大量のチョコレートが届いたことでも話題を集めた。

 7日に入学式を控えていることもあってか、髪を切り、さっぱりした姿で対局に臨んだ藤井六段は「少し序盤に形勢を損ねてしまいました。その後も時間の切迫の中でミスが出たところもありましたが、何とか最後は競り合いを制することができて良かったです」と振り返った。

 中学生最後の対局では敗れたが「目の前に全力を尽くすのが、結果的にも一番かなと思っているので、前の対局は意識していません」とキッパリ。高校生初対局にも「普段通りの気持ちで望みました」と話したが、「何とか新年度を白星でスタートできたのは良かったと思います」と安堵の表情を浮かべた。

 今後の目標については「まずはしっかり実力をつけて、各棋戦で上位を目指して頑張っていきたい」と語った。