前身を含めて約30年の歴史に幕を閉じたバラエティー番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)の最終回(3月22日)がテレビ界の話題をさらっている。松田聖子(56)が出演したこともさることながら、それ以上に注目を集めたのは、石橋貴明(56)と木梨憲武(56)の2人が番組エンディングで代表曲「情けねえ」を“替え歌”で熱唱したことだ。

「とんねるずはこの曲で1991年の『NHK紅白歌合戦』に出場したんです。思い出深い一曲だったことは間違いない。さらに業界関係者を驚かせたのが本来の歌詞である『この国を滅ぼすなよ』を『バラエティーを滅ぼすなよ』に、『この国をおちょくるなよ』を『フジテレビをおちょくるなよ』に変更して歌い上げたのです」(芸能プロ関係者)

 実はとんねるずの2人がこの替え歌を披露することは、周囲の誰にも明かされていなかったという。その場にいたフジのスタッフは声を上げて号泣。このとんねるずの粋な計らいに称賛が相次いだ。

「ネット上では普段嫌われているとんねるずですが、『感動したな』『泣けたよ』という書き込みが続々でした。芸能界からも有吉弘行や土田晃之らが『すばらしい』との声を寄せたんです」(同関係者)

 こうした声にビビッドに反応したのが40代以上のフジのプロデューサー陣だったという。

「よほど、とんねるずのフジ擁護がうれしかったようです。何とその日のうちに『とんねるずのみなさんのおかげでした』の復活番組企画書を作成し、翌日編成部に持ち込んだとか(笑い)。もう一度、この伝説的な番組を立ち上げようというわけです」(制作会社関係者)

 ところが、局員のほとんどが否定的なため、実現は絶望的だ。

「勘弁してほしいです。プロデューサー陣が感動したからすぐ復活番組をやりましょうなんて甘すぎる。99%通らないでしょう。そもそも、低視聴率なのに赤字を垂れ流し続け、彼らをリストラできなかったことが今日につながっているんですからね。それよりも新番組『石橋貴明のたいむとんねる』(16日スタート、月曜午後11時)の方を心配したほうがいい」(事情通)

 今のフジの状況では、情に動かされているわけにもいかないようで…。