桂文枝 会長退任は「勇退」か「逃げ得」か

2018年03月28日 11時00分

上方落語協会会長退任を表明した桂文枝

 上方落語協会会長の桂文枝(74)が26日、大阪市の天満天神繁昌亭で開かれた同協会の定例総会で、今期をもって会長職を辞する意向を示した。今後、4月26日に次期会長候補者選挙が行われ、5月下旬の理事会で新会長が決定する。2年前から次々とスキャンダルを報じられながら、説明することなく報道陣から逃げ回ってきた文枝。会長退任まで“逃げ切った”格好だが、果たしてそれで良かったのか?

 文枝は2003年から8期(1期2年)にわたって会長を務めてきたが、「前回選ばれた時に『今期で辞める』と言っていた。私も今年で75歳。いろんなことに対応するのも大変。約束通り会長を辞します」と表明した。

 退任を決断した理由については「私も元気なうちに会長を辞したい。私自身、やり切った思いがある。迷いはなかった」と言い切った。

 続けて「独断的にやらないとできないこともあったが、そこは皆さんに『申し訳なかった』と、おわびしました。私自身幸せでしたし、お礼も言った。(月亭)八方幹事長が『これだけやれたのは会長のおかげや』と言ってくれて、大きな拍手をもらって幸せでした」と語った。

 文枝といえば、2016年2月に元演歌歌手・紫艶との20年にも及ぶ愛人関係疑惑が報じられ、騒動になった。さらに、昨年末には日本舞踊の先生Aさんとの不倫疑惑も報じられた。その上、Aさんを巡っては、神戸で開場予定の定席寄席「神戸新開地・喜楽館」の命名ヤラセ疑惑まで浮上している。
 総会に出席した文枝の弟弟子で同協会副会長の桂きん枝(67)は「冒頭に、今回のことでは皆さんに非常にご心配、ご迷惑をおかけしたと思いますが、前の選挙の時に今期で辞めたいと言っていたので、その約束通り職を辞したいとおっしゃっていた」と明かした。

 紫艶との愛人関係疑惑が報じられてから2年余り、一連の騒動に対して文枝がまともに取材に答えたことは一度もなかった。要所要所でぶら下がり取材に応じてはいるものの、疑惑の真相については言及せず。マスコミに追いかけられ、逃げるように帰ったことも何度かあった。

 これについて、お笑い関係者は「そもそも、本人に後ろめたいことをしているという意識がない。『何で謝る必要があるのか』と言っているそうです」と明かした。

 とはいえ、やましいことがないのなら、会見して堂々と話せばよさそうなものだが、文枝は決してそうはしなかった。

「紫艶との騒動発覚後にあった会見で、ジョークで笑いに変えようとしたが、全くウケなかったことがある。それがトラウマになっているようだ」(同)

 結局、2年余りにわたって疑惑について語ることがないまま退任を決めた文枝。吉本興業関係者は「もともと勇退するつもりだった。大阪24区の創作落語制作もあり、お忙しくなるので」と、一連の疑惑が退任に影響したことを否定したが、“逃げ切った”という印象は拭えない。

 一方で、功績をたたえる声もある。「会長在任中、大阪に定席の寄席『天満天神繁昌亭』を開設した功績は、もちろん大きい。『古典落語をしない』との批判もあるが、逆にあれだけの数の創作落語を作り、そのネタを後輩の落語家が普通に高座にかけているのだから、そこは素直に評価すべき」(テレビ局関係者)

 功績が大きいだけに、疑惑についてきちんと説明すれば、評価を上げた可能性もあった。文枝は疑惑について語らず、会長退任まで“逃げ切った”が、果たして逃げ得だったのか?