元SMAP3人の映画公開に危機勃発! 稲垣吾郎(44)、草なぎ剛(43)、香取慎吾(41)が主演するオムニバス映画「クソ野郎と美しき世界」(4月6日から2週間限定公開)に映画界の常識ではあり得ない“前代未聞の事態”が起きていた。公開まであと2週間ほどになっても「まだ完成していない」というのだ。3人が所属する「CULEN(カレン)」の飯島三智代表取締役もその事実を認めたが、公開まであとわずかというこの段階で、本当に大丈夫なのか――。

 稲垣、草なぎ、香取は20日未明に東京・千代田区の帝国ホテルで行われた映画「クソ野郎――」のポップアップショップ内覧会に登場し、報道陣の取材に応じた。

 3人の映画は4つのエピソードで構成されており、稲垣がエピソード1、香取がエピソード2、草なぎがエピソード3でおのおのが主役を務める。エピソード4では3人が集結するが、その最終エピソードがミュージカル仕立てと、かなりトリッキーなものとして話題になっている。出来栄えについて稲垣は「僕は園子温監督の作品でエピソード1に出ています。まさに映画に勢いをつけるような内容になっていると思います」と自信をのぞかせ、香取も「僕のエピソード2は、まさに『僕』が映画に出演しているかのようです。そのままの僕が出ている。あと、僕のエピソードが一番『クソ野郎』の意味がはっきりわかると思いますね」とニヤリ。

 爆笑問題の太田光(52)が監督と脚本を務めたことでも注目されているエピソード3の草なぎは「本当に太田監督は素晴らしかった。昔から映画を撮りたいという情熱があった人だし、プレーヤーとしての一面もあるので演出もわかりやすかった」と絶賛した。

 ところが、だ。公開まで2週間ほどしかないというのに、映画そのものがいまだ完成していないというのだ。

 草なぎが「僕らもまだ見ていないんです。今回(マスコミや関係者向けの)試写会もない」と明かせば、香取は「実は、僕の部分を、つい数日前に少し撮影したんです。(パラリンピックの応援で訪れていた)平昌から帰国すると、スタッフが『いまからもう少し撮影です』と。クランクアップしたばかりなんですよ」と裏事情を明かすのだ。

 映画宣伝関係者は「普通なら、絶対にありえない。公開1か月前といえば、もちろん映画は完成していて、マスコミ向けの試写も終わっている。最後の宣伝のラストスパートに入っている時期。それなのにまだ完成していないなんて…。あまりのスローペースに、直接、映画に関わっている人はもちろん、関わっていない人間でさえもハラハラドキドキしてしまうレベルですよ」とあぜんとするほどだ。

 この異例の事態に、これまで本紙に登場することがなかった「CULEN」の飯島代表も記者の直撃に「そうなんですよ」と認めるばかり。「ラッシュ(編集前の映像チェック段階)は見ましたけど、まだ本当に出来上がってないんですよ。本来なら、取材に来ていただいているみなさまに試写をして、お見せするのが筋だとは思うんですが、すいません」と頭を下げる。

 すでに全国86(野郎)館での公開が決定し、チケットもバカ売れ状態。同映画の宣伝担当者は「あと少しなんです。あと少しで完成します」と公開までには間に合う、と問題ないことを強調するが、まさかの事態が起きれば大変な騒動になることは確実だ。もし、チケット払い戻しということになれば、大損害を被ることになる。

 別の映画関係者は「綱渡りは間違いないが、うまくいったら新しい映画製作の形になる。そういう意味ではチャレンジでしょうね。ただ、本当に大丈夫なんですかね?」と指摘するのだが…。チケットを買ったファンから「クソ野郎!」とののしられないことを祈るばかりだ。