【鈴木涼美・連載4】「プリティ・ウーマン」見て渋谷ギャルをやめる決意

2018年03月20日 10時00分

女子高生を満喫していた鈴木涼美氏が一念発起して…(提供写真)

【東大大学院出身の元セクシー女優・鈴木涼美「ワタシの値段」(4)】リチャード・ギアとジュリア・ロバーツが主演した映画「プリティ・ウーマン」って名作ですよね。私も高校3年生のときに見たんだと思います。あれが渋谷ギャルをやめるきっかけになったんです。

「プリティ・ウーマン」って実業家のリチャード・ギアと、コールガールのジュリア・ロバーツが出会い、次第にひかれ合っていくっていうシンデレラストーリーじゃないですか。でも、私はそう単純には見なかったんですよね。やっぱりコールガールのジュリア・ロバーツは勉強をしてこなかったから、パーティーなどに行っても、会話についていけなかったりするんですよ。あの姿を見て、「こうはなりたくない!」って感じたんです。

 ジュリア・ロバーツほどの美貌をもってしても、頭が悪いということでコンプレックスを持ってしまう。まあ、映画の中の話ですけど。

 でも、私はエリートのところに行ったら、そこでも威張りたいって感じだったんです。高校時代から、大学行ったらキャバクラ嬢をやろうかなとは考えてましたが、普通のキャバ嬢では能がない! 劣等感も持ちたくない! やっぱり、オンナも捨てたくないし、脳ミソも捨てたくないって思っちゃったんですよね。そこから親に「受験する」って言い出したんです。

 当然、渋谷ギャル全盛期、学校は行ってましたが、勉強はまったくしませんでしたね。本は多少読んでたので、土台はあったのかもしれません。なんか私はブーム系の人で、波があるんですよね。勉強するってなったら、一切テレビも見ないで勉強しているし、最初のうちは勉強をやればやるだけ成績上がるから、面白いし、なんか「勉強している私ってカッコイイ」みたいに感じちゃって。

 もともと通っていた高校が、進学校じゃなかったこともあって、学校ではひたすら寝てました。それこそ、毛布持っていって。学校で寝て、予備校で学んで、家で勉強する。また学校で寝て…の繰り返し。学校では“眠り姫”って呼ばれてました。

 そんなことをやってたら、何とか慶応大学に入学できたんですよ。入ったのが環境情報学部で、これが藤沢にあるんですよね。最初は大学生になってナンパされると、「どこの学校?」って聞かれて「慶応です」と答えると「スゴいね」なんて言われて。そのおかげで華やかな合コンなんかにも誘われたりするんですけど、ささやかな楽しみは3か月しか持たないんですよ! やっぱり女子高時代を渋谷で生きてきて、毎日、何かしら事件があったり、イベントがあってオールしてたりする私にとっては、退屈極まりなくって。そんな平々凡々な生活は自分自身で打破しないといけないと感じたんですよね。

☆すずき・すずみ=1983年7月13日生まれ、東京都出身。2002年に慶応義塾大学環境情報学部入学。そのころからキャバクラで働きはじめ、04年にAVデビュー。07年、東京大学大学院学際情報学府に入学する。卒業後、09年4月、日本経済新聞社入社。都庁や総務省記者クラブ、整理部などに所属。13年に修士論文を元にした著書「『AV女優』の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか」(青土社)刊行。14年8月、日本経済新聞社退社。同年11月「身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論」(幻冬舎)を出版し、17年7月に映画化される。著書には「愛と子宮に花束を」(幻冬舎)、「おじさんメモリアル」(扶桑社)。