車いすの天才科学者・ホーキング博士死去 生前に警告「宇宙人」対処法

2018年03月15日 16時30分

ホーキング博士(ロイター)

 車いすの天才科学者として知られた英物理学者スティーブン・ホーキング博士(76)が、英国中部ケンブリッジの自宅で死去したと英BBC放送などが14日、報じた。

 全身の筋肉が徐々に動かなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘いながら、ブラックホールなどに関する独創的な宇宙論を発表し続け、ブラックホールがエネルギーを失って消える「ブラックホール蒸発」理論などを提唱した。自ら敬愛するアインシュタイン以後、最高の理論物理学者ともいわれた。

 オックスフォード大学卒業後、ケンブリッジ大に移り、宇宙論を専攻。1963年にALSと診断され「余命は数年」と宣告された。次第に手脚の自由が奪われたものの、最先端の宇宙論研究に没頭し、輝かしい業績を残した。85年には声も失ったが、音声合成装置を使い、日本を含む世界各地で講演。宇宙の謎に迫る興奮を一般読者に伝えようと平易な著作の執筆に精力を傾注した。88年に出した「ホーキング、宇宙を語る」は世界的ベストセラーとなった。

 科学問題研究家の阿久津淳氏は「アインシュタインの相対性理論と、ハイゼンベルクの量子論という水と油みたいな両論をブラックホールで結びつけた業績は計り知れない。ブラックホールの内部から放射される量子や、底に発生する熱の問題もカラビヤウ空間という超弦理論で解決したり、虚数の時間を提唱したり、常に新しい問題提起も忘れない」と科学的業績をたたえた。

 ホーキング氏といえば「地球はエイリアンに征服される」「完全なAI(人工知能)の開発は人類の終焉を意味する」など、たびたび科学者として未来に警鐘を鳴らしてきたことでも知られる。

「地球外知的生命についても、攻撃対象回避のため目立たないようにすることと忠告したり、自ら無重力体験をしたり、好奇心いっぱいで、冒険を忘れない科学者でもありました」と阿久津氏は話している。