日本人初オスカー「メーキャップ賞」辻一弘さんの恩師が語る「進路相談秘話」

2018年03月06日 16時30分

日本人初となる「メーキャップ賞」を受賞した辻さん(ロイター)

 第90回アカデミー賞授賞式が4日(日本時間5日)行われ、下馬評通り「シェイプ・オブ・ウォーター」が作品賞を獲得し、監督賞を含む今回最多の4部門を受賞した。同作は日本でも1日から公開されているギレルモ・デル・トロ監督(53)のSFロマンス。SF映画の「作品賞」獲得は初めて。その他、音楽賞と美術賞も受賞した。

 また「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」で、ロサンゼルス在住の辻一弘さん(48)が、英国人2人とともにメーキャップ&ヘアスタイリング賞に輝いた。

 日本人初となるメーキャップ&ヘアスタイリング賞を獲得した辻さんは、受賞対象作品の主人公の元英首相チャーチル役を演じて主演男優賞に輝いた英俳優ゲイリー・オールドマン(59)の特殊メークを手掛け、ゲイリーから「魔術師のようだ」と絶賛されたという。

 辻さんは2007年に「もしも昨日が選べたら」、08年の「マッド・ファット・ワイフ」でもノミネートされ、高い評価を得ていた。

 辻さんの母校である京都・龍谷大平安高で担任だった三條場裕之さん(61)は「当時から手先が器用で、人の小指を作ったり、自分にやけどの特殊メークを施したりして驚かされた」と、懐かしそうに振り返った。

 進路相談では「大学には行きません。映画メークの世界に行きたい」と、きっぱり話した。米国メーキャップ界の巨匠ディック・スミス氏に弟子入りしたいと話し、英文の手紙を三條場さんが代筆したこともあった。作品の写真を同封して送ると、スミス氏から「卒業したらおいで」と返信があったという。

 辻さんの受賞に、三條場さんは「本当にびっくり。おめでとうと言いたい」と笑顔。中森寿樹教頭も「機会があれば、どんな思いで仕事を頑張ってきたか生徒たちに紹介してほしい」と声を弾ませた。