大杉漣さん 妻・弘美さんとの二人三脚人生

2018年02月28日 16時30分

惜しむ声が続く大杉漣さん

 急性心不全のため21日に死去した俳優・大杉漣さん(享年66)の葬儀が執り行われたことが、27日に発表された。故人の遺志で、妻で事務所社長の弘美さんら家族、近親者のみが出席したという。大杉さんは売れない下積み時代から、名脇役として多忙を極めた今日に至るまで、苦楽に満ちた36年の結婚生活を「最愛の妻と支え合って駆け抜けた」と改めて知人が明かした。

 大杉さんの妻で所属事務所社長でもある弘美さんは27日、公式サイトで「先般 大杉漣の葬儀を故人の生前の意思により、家族親近者のみにて執り行いました」と報告した。葬儀の日にちには触れなかったが、「【現場者】であり続けたいと故人が願っていた通りの最後となりました」と記した。

 大杉さんは1974年から劇団員として活動。82年に弘美さんと結婚したものの、仕事で芽が出ずに厳しい下積みを強いられ、その間は妻に支えられた。

 転機は40代になってから。北野武監督(ビートたけし本紙客員編集長=71)の映画「ソナチネ」(93年)で暴力団員を熱演してブレークのきっかけをつかんだ。

「98年に公開された北野監督の『HANA―BI』では東京スポーツ映画大賞助演男優賞を獲得するなど、各映画賞で8つ助演男優賞に輝いた。これでようやく自信を深めたのだろう。弘美さんと話し合い、神奈川県川崎市にあった小さな事務所を2003年ごろに東京・渋谷区に移転させ、さらに映画やドラマに打ち込んだ」(大杉さんの知人)

 大杉さんと弘美さんは、仕事面でも常に二人三脚だった。

「事務所の設立当初から弘美さんが社長だったが、07年ごろから16年2月ごろまでの約10年間、大杉さんは俳優と社長を兼務している。役者として脂が乗っていたこの時期、大杉さんがフル稼働して弘美さんを支えたようだ」(同)

 長男で写真家の大杉隼平氏(35)は27日、自身のインスタグラムに「どんなに忙しくても家族想いの人でした」などと記している。

 夫婦で話し合い、16年2月ごろから再び“夫=俳優、妻=社長”の体制に。ちょうどそのころ――16年2月27日の大杉さんの公式ブログには、こう記されてあった。

「Jリーグ 開幕しましたね 今年は どれだけスタジアム観戦出来るかな 時間が許す限り 出かけたいと思っています もちろんJ1からJFLまで あと我が草サッカーチーム『鰯クラブ』の試合もあるのでやれるときはやります なんだか新年のご挨拶みたいですね」

 大杉さんが記した「新年」という表現には、事務所トップの座から離れ、俳優業に専念しつつ趣味のサッカーに没頭したいとの思いが込められていたと考えられる。

「弘美さんは“今度は私が支える番”と思っただろう」(同)

 本社制定の「第27回東京スポーツ映画大賞」では、北野監督の最新作「アウトレイジ 最終章」で、助演男優賞を獲得した大杉さん。さらなる活躍が期待されたが糟糠の妻らに見送られ、天国へ旅立った。