【第27回東京スポーツ映画大賞(ビートたけし審査委員長)授賞式=25日】「アウトレイジ 最終章」の暴力団幹部役で、主演男優賞を受賞した塩見三省(70)は壇上で「今日のこの日をこれから何度も思い出すでしょう。今日を糧にして、これから俳優というものに、映画というものに近付いていこうと思います」と話した。
2014年に脳出血で倒れて入院。リハビリを経て復帰したものの、今作がクランクインした時点でも体の不具合は残っていた。コメントからも今回の受賞がいかに感慨深いものだったかが伝わってくる。
式後には本紙に熱い思いも語ってくれた。
「(衣装合わせのとき)北野さんにこの体を見せたら、(何事もなかったかのように)『じゃあ塩見さん、よろしくね』って言われちゃったの。それでガーンときちゃって。普通そうは言えないよ」
さらに、劇中の中田という役についてはこう感じたという。
「中田を通じて、『俺はこんなことでは負けない』っていうことを北野さんが言ってくださってんだと思って。だから(体を壊した私も)『負けないぞ』って強い気持ちを中田に重ね合わせてやりました」
改めてこの日を振り返り、「今日は北野さんに命を吹き込んでもらった」と強いまなざしで語った塩見。壇上では最後に「大杉、俺はこんな体になったけど、もうちょっとやってみるよ」と天に向かって、呼びかけた。これからもベテランとして覚悟ある演技を見せてくれそうだ。