今月1日に昇段したばかりの中学生棋士の藤井聡太五段(15)が5日、大阪市の関西将棋会館で指された第68期王将戦1次予選1回戦で、南芳一・九段(54)と対局し、230手で昇段後の初戦を白星で飾った。1次予選の次戦は、自身の師匠である杉本昌隆七段(49)との“師弟対局”。公式戦では初となるために注目度は高まる。

 将棋の世界では弟子が師匠に勝つことを“恩返しする”というが、好調の藤井五段は、師匠に勝てるのか?

 藤井五段は小学4年の時、杉本七段に弟子入りし、以来、手ほどきを受けてきた。練習将棋では、この数年、杉本七段が打ち負かされることが多いという。藤井五段の素質にほれ込み、見事に開花させていた杉本七段だが、公式戦では師弟関係にはとらわれずに、意地とプライドをかけた一戦となりそうだ。
 藤井五段は「公式戦での対局は初めてですので、対局に臨むからには全力を尽くしたい」と力強く話した。

 今月は中学生で史上初の五段昇段の偉業を成し遂げたばかりだが、まだ大一番が控えている。17日に朝日杯将棋オープン戦準決勝で羽生善治竜王(47)と対戦するのは周知の通り。

 羽生竜王は13日に国民栄誉賞の授与式があり、藤井五段が勝てば、“レジェンド超え”。決勝も制すれば、史上最年少での棋戦優勝で、六段昇段の離れ業を成し遂げることになるが…。