「週刊文春」に不倫疑惑を報じられ、引退を表明した音楽プロデューサー・小室哲哉(59)に対し、出版業界が熱視線を送っている。狙うのは、妻の歌手KEIKO(45)の“壮絶介護本”。芸能界では、2冊の介護本がベストセラーになっただけに、「知名度の高い小室ならもっと売れる」と言うのだ。介護本だけでなく小室の自叙伝、さらには9月の引退を発表している歌手・安室奈美恵(40)との対談本まで企画に上がっているという――。

 引退を発表した小室に対しては、本紙が21日付の1面で既報した通り、介護業界から講演依頼が殺到するとみられているが、それ以上に小室に注目している業界があるという。

「その業界とは出版界ですよ。“出版不況”といわれて久しいが、小室が今まで明かしてこなかった、歌手で妻のKEIKOの壮絶な介護秘話を告白本で明かせば、大ベストセラーになるのは間違いないですからね」(音楽関係者)

“介護本”は、それほど売れ行きがいいのだ。実際に芸能人が出した“壮絶介護本”は、これまで2冊が大ベストセラーになっている。

 1冊目は俳優の故長門裕之さんが、妻で女優の故南田洋子さんの介護の様子を記し、2009年に出版した「待ってくれ、洋子」。さらに2冊目は、昨年亡くなった俳優・砂川啓介さんが、認知症を患った妻の声優・大山のぶ代さんの壮絶な介護を明かし、15年に出版した「娘になった妻、のぶ代へ」だ。

「特に、砂川さんが大山さんの介護の様子をつづった『娘になった妻、のぶ代へ』は、20万部のベストセラーとなりました。この本には、大山さんが長年務めたアニメ『ドラえもん』の声優をしていたことを忘れてしまったという衝撃的な事実も、初めて明かされた。さらに介護に疲れた砂川さんが自殺を考えたことなど、壮絶な話も。砂川さんには、認知症を抱える患者の家族から多くの激励の手紙が寄せられたんです」(介護業界関係者)

 この2冊に共通するのは、愛妻の介護を記した本だということ。知名度の高い小室がKEIKOの介護秘話を明かせば、もっと売れる可能性が高い。ミリオンセラーも夢ではないだろう。

「今回、小室が一連の騒動で一番訴えたかったことは、“第三者にカウンセリングでもしてもらわないと、介護する側も人間崩壊してしまうほどつらい”ということ。実際に介護をした人にしか分からない感情だと思います。小室は女性看護師に心を許し、自宅にまで招き入れてしまったわけですが、彼の奥底にある“介護の深い闇”を事細かに書けば、介護をしたことのない人にも現実が理解されるのでは」(同)

 問題はKEIKOの状態を小室がどの程度まで明かすのか、という点だ。

「砂川さんは、大山さんが便を家の廊下に漏らしてしまうためオムツをはいていたなど、介護は死ぬほどつらい苦労があることを心を鬼にして発表した。それが同じ病気に苦しむ患者を抱える家族に勇気を与えたので、小室さんにもKEIKOさんのありのままの姿を明かすことを、ぜひ期待したいですね」(同)

 前出の音楽関係者は「すでに10社ほどの出版社が“小室の介護本を出したい”と企画を立て、動き始めているようです。出版社の中にはKEIKOの介護だけでなく、小室自身の自叙伝的な本にしたいと考えている社もあるそうです。小室自身、“時代の寵児”ともてはやされた時もあれば、大きな借金を抱えて逮捕されるなど、波瀾万丈な人生を送っていますからね」

 さらには、こんな仰天企画まで浮上している。

「それは、小室と安室奈美恵の対談本です。20~21世紀にかけて日本の音楽シーンの中心にいた2人が同時期に引退を発表。この2人の対談なら、ファンならずとも読みたいでしょうね」(出版プロデューサー)

 出版社の間で“小室争奪戦”が展開されるのは間違いなさそうだ。