俳優・浅野忠信(44)と歌手・Chara(50)の娘でモデル、女優のSUMIRE(22)が27日、東京・渋谷「ユーロスペース」で行われた映画「サラバ静寂」の初日舞台あいさつに登壇した。

 音楽、映画といった娯楽が禁止された未来の日本で、根絶されたはずの音楽と廃虚で出会い、魅了されていく若者たちの姿を描いている。映画初出演のSUMIREは、音楽を所持した罪で父親を殺されてしまう少女・ヒカリを演じた。

「多くの方に見てもらえるとうれしいです。音楽の価値観や大切さとか、今の自分たちが失ってしまっていたものが詰まっている。この作品を見て、大切なものとかを気づき直せたらいいなと思います」と作品に込められたメッセージを伝えた。

 音楽を憎む警察官を演じる斎藤工(36)は「現場にほとばしる若きエネルギーが宿っている作品に立ち会えたことが心地いい。これから日本映画を代表していく役者さんたちがここに並んでいると思うので、応援してください」と主演の吉村界人(24)、若葉竜也(28)らを持ち上げた。そして女性客に「作品の余韻に浸りながら、ややいかがわしい渋谷の街を気をつけて帰ってください。週末の渋谷は危険ですから」と語りかけ、笑いを誘った。

 宇賀那監督は「音楽が禁止された世界で音楽をやろうとする若者の話ですが、いま映画自体も恵まれていない環境にあるのかもしれません。そんな中、映画を盛り上げようと思って作りました」と思いを述べると「小さな映画ではありますが、音と劇場の大きなスクリーンで見てもらえるように作りました。皆さんの口コミは大きな波になると信じています。ぜひ、みなさんの力を貸してください」と客席に呼びかけた。

 同作はユーロスペースを始め、全国で順次公開される。