今週発売の「週刊文春」でセクハラ疑惑を報じられた元NHKの登坂淳一アナウンサー(46)が26日、4月スタートのフジテレビ報道番組キャスターを“降板”することになった。早くも問題を抱えた芸能人・キャスターの駆け込み寺的な存在となっているTOKYO MX行きがささやかれているが、そう簡単に事は進みそうにない。

 今月16日に「プライムニュース」(4月2日スタート)のメーンキャスター就任が発表されてから、わずか10日。NHK時代に「麿」と呼ばれ人気を博した登坂アナだが、文春報道をキッカケにまるで“没落貴族”のようになってしまった。セクハラ報道があった翌26日に、報道各社にファクスを送り、出演辞退を申し出たことを明かした。

 登坂アナは「4月から新たに始まるフジテレビのニュース番組のキャスターのお話をいただいていたのですが、今回の週刊誌報道でお騒がせしたことを受けて、出演を辞退することにいたしました」と書面でコメント。セクハラ疑惑に関しては「報道内容については、身に覚えのないことも多く、困惑するような内容で非常に残念ではあります」と部分的に否定した上で、「大事な新番組を傷つけることは本意ではなく、自ら身を引く潔さも大切と思い至るようになりました」とした。

「フジテレビは宮内正喜社長の肝いりで、4月からニュース番組を『プライムニュース』という名前に統合する。登坂は夕方のニュースの“顔”に選ばれたのですが、主な視聴者が主婦層ということもあり、とても持ちこたえられないと判断された」と同局関係者。

 フジでは2年前にも同様の事例が起きていた。夜のニュース番組「ユアタイム」のキャスターにショーンKことショーン・マクアードル川上氏(49)が就任すると発表されていたが、放送直前になって経歴詐称が発覚。番組スタート前に降板に追い込まれた。「“身体検査”が甘いと言われてもしようがない」と前出関係者。

 登坂アナはNHKを退局と同時に契約した大手芸能事務所「ホリプロ」に所属し、仕事を続けていく予定。本人も「今後も様々なお仕事に挑戦していく所存ですので、何卒よろしくお願いいたします」とコメントしている。

 そんななか噂されているのが、トラブルを起こしたキャスターらの“駆け込み寺”で知られるTOKYO MX(以下MX)での復帰だ。ショーンKもメディア復帰の場に選んだのは同局で、元日放送の特番に出演。26日放送の「5時に夢中!」では、出演者らが登坂アナのMX出演をネタにする場面もあった。

 MXならば上手に登坂アナを扱うだろうが、問題となっているのがセクハラ疑惑だけに「難しい」という指摘もある。

「登坂本人が否定しようと、なかなかセクハラ疑惑は消えない。この手の話はスポンサーが最も嫌がります。また、全世界でセクハラが問題となり『#MeToo』運動が広がる中で、それをネタにしてちゃかすようなことがあったら、大炎上することは間違いない。それこそ番組が吹き飛んでもおかしくない。どこかちょっと笑えるショーンKとかとは違いますね。復活への道はかなり厳しいでしょう」と前出関係者。

 ハリウッドでは次々と有名俳優がセクハラを告発され、本人が否定しようとも、公の場から“追放”されている。登坂アナもその潮流に逆らうことは難しく、目の前にはいばらの道が待っている。 

【文春報道にフジ局員の反応は】

 今週発売の週刊文春によると、当時妻帯者だった登坂アナはNHK札幌放送局時代の2011年6月、北海道の飲食店で行われた打ち上げの2次会で、20代の新人女性キャスターにセクハラ行為をしたという。

 登坂アナはトイレ前の廊下で同キャスターに執拗にボディータッチして、無理やりキスを迫った。ブラウスに手を入れて胸をまさぐり、スカートをまくり上げて手を伸ばすという行為も。後日、厳重注意処分を受けていた。

 登坂アナが担当するはずだった「プライムニュース」はフジの宮内社長の肝いり企画だが、早くも暗雲が垂れ込めた。登坂アナの“黒い噂”は知る人ぞ知る話で、フジテレビ内でも報道局員の間ではヘッドハンティングに反対する声があったのは本紙既報通り。フジテレビ局員は「最近は上層部の顔色ばかりうかがう上司が多すぎで、部下の進言は上司のところで止まってしまった可能性が高い。文春の報道に局内は驚きよりも『やっぱりね』という声が圧倒的。“上”の無能さにあきれ果てている感じです」と明かす。