【第60回ブルーリボン賞・新人賞=石橋静河(23)「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」】 父が石橋凌、母が原田美枝子と、両親ともに俳優という家庭で育った。「やっぱり小さいころから役者という職業は特別でした。親を見て『大変そうだからやらない』と思ってたんですけどね」。原田は第19回ブルーリボン賞(1976年)で新人賞を受賞。「同じ賞をもらえるのは非常にうれしい」と笑顔を見せた。

 映画初主演にして新人賞を獲得した石橋だが、この作品の撮影が終わった直後は“女優引退”まで考えたという。「終わった後は、何一つ満足に監督の要望に応えられなかったという思いが強くて、悔しい思いでいっぱいでした。辞めた方がいいかもしれない、自分は向いてないな、と。ペシャンコになってました」

 ところがブルーリボン賞だけでなく、各映画祭で新人賞の受賞ラッシュとなった。「自分の中ではビックリ。『自分がお芝居をする場所に居ていいんだな』と思えました。でも自分の中で、悔しさは消えてないですけど」