今夏開場予定の上方落語協会第2の定石寄席「喜楽館」(神戸・新開地)の名称選定を巡り、同協会会長の桂文枝(74)が知人女性を介在させたとの疑惑を22日発売の「週刊現代」が報じた件で、文枝らとともに選考を行った「新開地まちづくりNPO」理事長の高四代(たか・よんだい=70)氏が23日、取材に応じた。

 同誌によると、文枝は昨年3月から5月にかけて行われた同館の命名で、昨年末に「週刊新潮」に不倫疑惑を報じられた日本舞踊の先生・Aさんに「喜楽館」の名称で応募するよう依頼。名称が採用され、Aさんが命名者となったことを「ヤラセ」と指摘した。

 高氏は「『喜楽館』の応募は5通あった。8月9日に会議を行い、私が5通の中から1通を選んで命名代表者を決定した。その1通がたまたまその女性だったのだろう。NPOとしては後ろめたいことは何もない」と選考過程を説明した。

 名称については「文枝さんとは『喜楽亭』とか『喜楽館』とか、いいなぁとはお話してた。大阪が繁昌“亭”だし、新開地には昔『聚楽館』という劇場があって、“館”の方がなじみがあった」と明かした。

 また、ヤラセ疑惑については「文枝さん一人では決められないですよ。記事には『NPOの代表や市長からも了解をもらっている』ともあるが、私は了解していないし、市長が選考過程を知るはずもない」と反論。文枝から事前に「喜楽館」を選ぶよう打診を受けたり、女性に応募させたという話は「聞いていない。聞いてたら問題になる」としたが、女性に応募を依頼したのが事実であるならば「ルール違反ではないが、モラルの問題はあるんじゃないか」と話した。

 今後については「喜楽館に愛着があるし、夏のオープンに向けて粛々と進めていきたい。苦情があれば、丁寧に説明したい」と名称の変更などは考えていないという。

 文枝からは「ご迷惑をおかけした」と謝罪があったが、女性に関する言及はなかったそうで、NPOとして追及するつもりはないという。高氏はその女性と面識はなく「見てみたいくらい。文枝さんも公人なんだから、脇が甘いよなぁ」と降って湧いた騒動に苦笑いだった。