今週発売の「週刊文春」で看護師・Aさんとの不倫疑惑を報じられた音楽プロデューサーの小室哲哉(59)が19日、都内で会見を開いた。改めてAさんとの不倫関係を否定したうえで、引退を表明。「TMネットワーク」に始まった35年間の音楽活動に幕を下ろす決断をしたのは今週に入ってのことで、今後についてはまったくの白紙としている。早くも将来的な復帰がささやかれる一方で、意外な活躍の場が取りざたされている。それは――。

 不倫疑惑騒動は、まさかの結末を迎えた。

 会見場に登場した小室は冒頭「今回の報道により、妻であるKEIKO、家族、ファンの皆さま、その他スタッフの皆さま、いろいろな方々にご心配をおかけして、お相手の方にもご迷惑をおかけしたことをおわびいたします。おわびの話をすると同時にですね、僕なりの騒動のけじめとして、引退を決意しました」と表明した。

 会見では引退理由などを語った小室(別項参照)だが、自分でも想像しなかった形の引退に「『悔いなし』なんて言葉はひと言も出てこないです」と言うように、後悔や未練をのぞかせた。「自発的な音楽活動は本日をもって退こうと思ってます」と断言したが、すでに受けている仕事が多数あり、相手が望むならば続行する意向。ただ新規のオファーは受けないという。

 24日に東京・日本武道館で行われる「超英雄祭 KAMEN RIDER×SUPER SENTAI LIVE&SHOW2018」、26日のビルボード東京でのライブにはPANDORAの一員として出演する予定だ。また当面、テレビ朝日系「ラストアイドル」で行っているアイドルグループへのプロデュースも続けていく。

「今後の生き方であったり、身の振り方はお時間をいただいて、考えていきたいと思ってます」と白紙を強調した小室だが「体調が良くなったら、戻ってくる可能性は十分にあるのでは」(音楽関係者)という声も上がっている。

 小室自身も会見で「これからもファンと何かしらのつながりを持つことは期待していいのか?」という質問に「世論の比率によるかなぁと思います。割合が『生き恥さらしてでもいいから音楽作れよ』という意見が何割あるか。ファンという不特定多数の声よりも、この(インターネットの)時代ですから如実に出てきますので、その数字に従いたいかなぁと漠然と思っています」と揺れる心情を明かした。

 音楽界からは身を引く決断をした小室だが、発信力は依然として高いものを持っており、まだまだ社会は放っておかないだろう。その一つが介護業界だ。

 小室はこれまで、2011年にくも膜下出血で倒れ、記憶障害などの後遺症がある妻のKEIKO(45)を介護してきた。

「会見ではKEIKOの世話に疲れ、看護師のAさんに精神的に支えてもらったと正直に話しました。不快に思う人もいるでしょうが、介護はきれいごとではないんです。同じような悩みを持っている人は数多くいます。介護疲れは社会的な問題となっており、小室さんの話に共感する人も多い。介護業界では『小室さんに講演をお願いできないか?』と持ち切りです。これから講演のオファーが殺到するでしょう」と介護業界関係者。

 会見の最後に小室は自らマイクを持ち「最後にひと言だけすいません。僕たった一人の言動などで日本であったり、社会が動くなんてことはまったく思ってませんが、先ほども言いましたように、なんとなくですが、高齢化社会だったりとか、介護の大変さであったりとか、社会のこの時代のストレスであったりとか、少しずつですが、この10年で触れてきたのかなと。そういう意味で、こういったことを発信することで、日本も何か良い方向に、皆さんが幸せになる方向に向いてくれたらいいなと思っております。微力ですが、少し何か響けばいいなあと思っております」と話した。

 音楽制作から引退したとはいえ、小室の社会的影響力は今でも大きい。今後は講演の弁士として、日本中を回ることになるかもしれない。