俳優・中村蒼(26)が9日、都内で連続ドラマ「命売ります」(三島由紀夫原作)の完成披露試写会に出席した。

 1970年に自決した三島氏が、晩年の68年にしたためたエンターテインメント色の強い怪作。金で命を売る自殺願望の強い男を通し、逆説的に命の大切さが伝わってくる作品だ。

 高学歴・高収入の広告代理店マンを演じる中村は「主人公は毎回、人の生き死にを目の当たりにし、人間らしさを取り戻していく。短期間にこれだけ多くの先輩方(ゲスト出演者)と共演できる機会は貴重で、とても勉強になった」とコメントした。

 中でも印象に残ったゲストは大地真央(61)。「ロケ先の街中で牛丼店の看板が目に入ったので、『知っていますか』と尋ねたら『牛丼店に入ったことも食べたこともない』と言われた。それにケータリングのお菓子やジュースの銘柄も全くご存じなくて、住む世界が違うと思った」と苦笑した。

 番組はBSジャパンで13日午後9時スタート。三島氏と親交のあった三輪明宏(82)がナレーションを担当する。会見には田中泯(72)、YOU(53)、田口浩正(50)、前田旺志郎(17)、主題歌を手がけた文学系ロックバンド「人間椅子」和嶋慎治(52)も出席した。