「第30回日刊スポーツ映画大賞 石原裕次郎賞」の表彰式が28日、都内のホテルで行われ、「アウトレイジ最終章」を大ヒットさせた北野武監督(ビートたけし本紙客員編集長=70)が「石原裕次郎賞」に輝いた。

 北野監督は「あ、どうも。浅野忠信の父です」と先日、覚醒剤使用で逮捕され起訴された芸能事務所社長・佐藤幸久被告(68)をネタに、いきなりボケをかます。

 さらに「脚本上では、本当は4、5、6と続き、韓国からアジア、英国、米国に進出して、世界中のマフィアをやっつけようという構想があったが、いったん3で区切りにした」と“舞台裏”を明かした。

 シリーズを続ける中で、西田敏行(70)、塩見三省(69)らが次々に病に見舞われた。「大丈夫かなと心配したが、いざ映画が始まるとものすごい芝居で、映画にかける役者の心持ちを見せ付けられた。感動した。ベテランの役者たちのすばらしい演技でできた映画。皆さんには本当に感謝している」と俳優陣をねぎらった。

 また、北野監督は石原まき子(84)さんを「イメルダ夫人」とイジり、会場に一瞬、緊張が走った。司会の露木茂(77)が思わず後ずさるほどだった。

 日本の国民的スターである裕次郎さんの未亡人を、ぜいたくの限りを尽くし、国民の反感を買ったフィリピンの独裁者・故マルコス大統領の夫人にたとえるあたりが、ブラックジョーク好きの北野監督らしい。

 一方で「渡哲也さん(75)に裕次郎さんの話を聞いて、1回会ってみたいと思っていた。それがかなわなかったのは、この世界で一番残念なことだった」とコメント。裕次郎さんに対する尊敬の念を明かした。