2017年11月10日深夜、外国人観光客にも人気の東京・新宿ゴールデン街で、まさかの騒動が起きた。あのレディー・ガガ(31)が出没したというのだ。場末バー店主が振り返る。

「11月10日の金曜深夜、外が騒がしくなり、様子を見に行った大手広告代理店勤務の若い子が『ガガだ!』と言いだしたの。お付きの外国人が何人かいて、人だかりができてヤバいと感じたのか『写真はダメ』と叫びながら、一行は移動していったとか。もっとも本人は笑顔で写真撮られてたみたいだけど」

 まるでUMA(未確認生物)が出たかのようなその騒ぎようを撮った動画には、黒のニット帽をかぶり、顔のパーツが中心に寄り、シュッとした目鼻立ちの女性が映っている。なるほどガガに見えなくもない。「『そっくり館キサラ』が近いから、ガガのものまねの人じゃないの?」と店主は言うが、その夜の出演者にガガをレパートリーにしているものまね芸人はいなかった。

 新宿といえば、16年末、当時恋人同士だったケイティ・ペリーとオーランド・ブルームが東口や2丁目でお忍び年越ししているだけに、もしや!?と思いきや、やはり違った。

 米エンタメ関係者にこの動画を見せると「ソックリでもないけど…全然違う。何より背が違う」とバッサリ。しかもガガは8月からワールドツアー中で、11月7日は米国・ミシガン州デトロイト、10日はコネティカット州アンカスビル公演だった。その合間を縫って来日するのは到底不可能で、SNSの投稿でも来日した形跡は見当たらない。

 その夜現れたのは、化粧や髪形をまねたガガの熱狂的ファンか何かだったようだ。

 ゴールデン街のはた迷惑な外国人はほかにもいて「客が引けた店で店主がトイレに行ったりウトウトしている隙に、その日の売り上げをパッと盗んでいく者もたまに出る」(前出の店主)。また“にせガガ”出没のちょうど1か月前には、外国人2人組によるスプレー落書きも相次ぎ、テレビ東京の番組企画で、そうした落書き(全46か所)を最近消したばかりだ。

 昭和の面影を残す“サブカル遺産”的なこの歓楽街は、インバウンド(訪日客)の増加で変わりつつある。「家賃が上がるから、ウチはチャージを600円から800円に値上げする。ただチャージって外国人には理解不能で、説明すると嫌がって帰っちゃう。だから最近はノーチャージの店も増えてきた」(同)という。