【本紙客員編集長・ビートたけしの世相斬り】年末恒例の世相を表す漢字1文字が「北」だったけど、これは北朝鮮の北じゃなくて「北野の北だ」ってずっと言ってるんだ。オレの方がブレークしたから、オレはこれで38回目のブレークだからってさ。(競馬では命名馬キタノコマンドールが23日の新馬戦で勝利)

 2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で、オレが古今亭志ん生を演じるって話がNHKから来たんだ。志ん生については参考資料としての音源はあるんだけど、映像がほとんど残ってないんだよ。NHKに言ったのは「オレなりの志ん生でしかやれないよ」と。志ん生のマネなんて、絶対にできないし。それで良かったらと。志ん生のマネなんて、似てる似てないは、はなっから違うよと。そうしなきゃできないよ。

 この前、立川志らくが「たけしさんはすごい。(立川)談志と志ん生をやった、演じた人はいない。大天才です! 2人の天才を演じた人なんていないです」だってさ(笑い)。まあ、ありがたいことだよね。ただNHKだからどうなるかわかんねーけどな。とりあえずやってみるよ。

 M―1グランプリでとろサーモンが優勝したけど、いまの漫才ってのは出来不出来関係なく、レベルがものすごい上がってる。我々の時代と違って全部面白いけど、飛び抜けてない。それが出てこなきゃだめなんだけどね。

 我々の時代は漫才は大したことないのに、6組ぐらいが飛び抜けちゃったからブームが来た。いまはそれより数段上のやつらがいっぱいいるんだけど、みんなが良すぎて、メジャーリーグみたいなもんだ。

 お笑いもそのうち飛び抜けるやつが出てくるかもしれないけど、それを支えていたテレビがダメになっちゃった。だから、ユーチューブとかネットで出てくるようになったんだけど、30秒ぐらいのネタがメーンになっちゃうと、長続きする芸人はいなくなっちゃう。だからそれだけで出たらかわいそうだな。売れるかもわかんないけどね。