当たっても見られない!? 6月12日に上野動物園(東京・台東区)で誕生したジャイアントパンダの赤ちゃん、シャンシャン(メス、父・リーリー=12歳)とお母さんのシンシン(12歳)の母子一般公開が19日から始まった。来年1月末までは混雑緩和や母子の体調を考慮して、抽選により1日400組で最大2000人、観覧時間は1分という“限定公開”の形がとられる。小さなアイドルをひと目見ようと全国から応募が殺到したが、生後半年のシャンシャンは寝てばかり。専門家によると「場合によっては公開中止もある」そうだが、果たして!?

 一般公開を翌日に控えた18日、上野動物園では「シャンシャンの公開を祝う会」が催され、小池百合子都知事(65)や女優の松島トモ子(72)らがひと足先に小さな“国民的アイドル”とご対面。小池知事は「もう、かわいいのひと言。木に登ってかわいいお尻を見せてくれた。『香』を2つ重ねた名前もとてもかわいくて名は体を表すと言いますけど、かぐわしい存在感を示してくれるのでは」とメロメロだ。

 2度にわたり、ライオンとヒョウに襲われ「それでも動物が好き」と公言する松島も「生まれたころはめんたいこみたいだったけど、今はとてもかわいい。パンダは世界中のあちこちで見ているけど、あんなに小さいのは初めて。本当にかわいくて美人」とすっかり骨抜きにされていた。

 19日から始まった一般公開は母子の体調などを考慮して、抽選によって1日400組(最大2000人)に限定。観覧時間は1分だ。年内の観覧申し込み(受け付け終了)では最高倍率144倍! 19日についても約46倍となる約1万8300組の応募が寄せられるなど、すでにプラチナチケットと化しているが、来園しても会えるかは時の運だ。

 18日、シャンシャンは朝10時ごろ、パンダ舎を内覧した招待客らの訪問でお目覚め。

「2~3時間寝て、1~2時間起きたりを繰り返していて、決まって何時に起きるというのはない」(福田豊園長)

 報道陣向け先行公開では10分ごとの入れ替え制がとられ、本紙は起床から2時間あまりが経過した午後0時台に10分間の撮影が許された。前のグループが「ダメだ…。ずっと寝てた」と苦笑したのと同様に、ママの近くであおむけになってお昼寝中のシャンシャンは10分の間、1度寝返りを打った以外はピクリともしない。

 午前中、木に登ったり竹をかじったりの大サービスで愛嬌を振りまいたおかげで午後はすっかりお疲れモードということ?

 渡部浩文副園長は「多い時でスタッフ50~60人が集まって一般公開の練習をしてきた。今日も特段変わらずに淡々と過ごしている様子。シャンシャンは1日15~16時間は寝ている。観覧に来ても寝てることも多いですが、よく眠るというのもパンダの姿。それも含めて見てもらえるのでは」と期待を込めた。

 だが、動物ジャーナリストの佐藤栄記氏は、シャンシャンの体調次第で公開中止になる可能性を指摘する。

「1972年にメスのランランとオスのカンカンが公開された時は、約5万6000人も詰め駆けた。ストレスでランランが嘔吐して公開中止になりました。14歳まで生きたトントン(メス)も一挙手一投足が注目され、緊張から木に登ったまま降りてこられなくなり公開中止になったことも。シャンシャンは早ければ2歳、遅くとも7~8歳までには大事に育てて中国に返さなくてはいけないため、体調次第で公開中止になることもあるでしょう」

 母子の体調が最優先なのはもちろんのこと。寝る子はスクスク育つともいう。起きて動いている姿を見たいのは当然だが、寝顔でもシャンシャンのかわいい姿を見られたらラッキーだ。