6日に肺炎のため83歳で死去した伝統芸能「太神楽」(だいかぐら)の曲芸師・海老一染之助さんの通夜が10日、都内で行われ、お笑いコンビ「爆笑問題」(太田光=52、田中裕二=52)らが駆けつけた。

 染之助さんといえば、2002年に死去した兄・染太郎さんとのコンビで、傘の上でまりや升などを回す曲芸と「おめでとうございま~す!」のフレーズで愛され、フジテレビのお正月番組「初詣!爆笑ヒットパレード」では欠かせない存在として長年出演した。

 太田は「優しい大先輩だった」と明かすと「声が通る人だったから、登場するだけでスタジオがパッと明るくなる人でした。今年も『ヒットパレード』でお会いできるかと…」としんみり。

 古典芸能「太神楽」とテレビを融合させた芸風は唯一無二のものだった。太田は海老一兄弟の名フレーズ「弟は肉体労働、兄は頭脳労働でギャラは同じ」を引用して「私が引き継ごうかな。コイツ(=田中)に稽古させて、俺が頭脳労働する」と宣言。これに田中は「絶対にあの芸は引き継げない」と返し、染之助さんが兄の染太郎さんと極めた曲芸の偉大さをかみ締めた。

 また、染之助さんを長年支え続けた妻の村井秀子さんは「亡くなる前日におでことおでこをくっつけて『お父さん、頑張って。また明日来るからね』って。初めてそういうことをしたけど、虫の知らせがあってそういう行動をしたのかな…」と、最後の思い出を明かした。

 戒名は「至藝染朗信士」。