歌舞伎俳優の市川染五郎(44)が5日、クールジャパン戦略推進特命委員会(山本一太委員長)に講師として招かれ、永田町の自民党本部を訪れた。

 自民党のクールジャパン戦略はアニメ・マンガ、ゲーム、映画、音楽などのコンテンツや食、伝統工芸など、日本の魅力を海外に発信・展開すること。日本の経済成長のエンジンとなる重要な国家戦略として注目を集めている。

 冒頭、染五郎は自民党議員を前に、来年1月に歌舞伎座で開幕する襲名披露興行で“十代目松本幸四郎”を襲名することを改めて宣言。続いて衆院選の直前に、党本部を訪れた時「選挙に立候補するのではないかと間違われた」というエピソードを披露。「皆さまに『一体これはどういうことか』と聞かれた。(出馬を)否定しながら入った次第です」と話し、笑いを誘った。

 マスコミをシャットアウトした中、約1時間にわたり「歌舞伎界から見たクールジャパン」というテーマで「世界に向けて日本の歌舞伎をどうしたいか。私は演じる立場で話した」と染五郎。

 同委員会で事務局長を務める三原じゅん子参院議員(53)は、質疑応答・意見交換の中身をこう明かした。

「出席議員からは、市川さんに日本版ブロードウェー構想などの要望が出た。質疑応答では『歌舞伎は一子相伝ではないか?』という質問が出て『歌舞伎は農村歌舞伎など地方に根づいており、現代の役者の8割は研修生出身です』と答えていた」

 昨年の同委員会では、ロックバンド「X JAPAN」のYOSHIKI(年齢非公表)や映画「シン・ゴジラ」総監督の庵野秀明氏(57)らが出席し、話題を集めた。

 三原氏によると、今月から参議院政策審議会に自民党プロジェクトチームが設置され、チケットの高額転売問題で議員立法に向けて具体的な法案の検討作業に入るという。