アニメーション映画の新海誠監督(44)が10日、東京・港区の国立新美術館で行われた「新海誠展『ほしのこえ』から『君の名は。』まで」(11日~12月18日)の記者発表会に出席した。

 世界的な大ヒットアニメ映画「君の名は。」の新海監督のデビュー15周年を記念した企画展では絵コンテや原画、造形物、制作に関する資料などを通じて“新海ワールド”を体感できる。

 新海監督は開催について「(作品中にも出てくる)まさかこの場所で展示していただけるとは想像もしていなかったし、アニメーション映画への考え方も変わってきたのかなと思います」と心境を明かした。

 新海監督のように「現役アニメーション監督」の展覧会が「国立」の美術館で開催されるのは初めて。このような特集が組まれるのも、同監督が日本アニメ界の巨匠・宮崎駿監督(76)の後継者となるべく、映画界を中心に大きなバックアップを受けている存在だからだ。

「映画界最大手の東宝の抜てきを受けた新海監督は見事に映画を大ヒットさせ、今後は着々と日本を代表するアニメーション映画監督として地位を固めていく」と映画関係者。いまや日本産アニメは政府も海外向けコンテンツビジネスの一つとして、支援している。

「政府が推進している『アニメコンテンツの海外販売戦略』もあり、多くの外国人観光客の来日が見込まれる2020年の東京五輪開催に向けて、国を挙げてアニメの文化的ステータスを上げている最中で、今回の展覧会開催もその流れの一つ。映画、テレビ界だけでなく政財界ががっちりスクラムを組んで、新海監督を応援している」(前出映画関係者)

 2020年の東京五輪では新海監督が「日本の顔」の一人として登場するかもしれない。