人気番組「クイズダービー」(TBS系)の解答者として人気を集め、10月26日に肺炎のため84歳で死去した学習院大名誉教授・篠沢秀夫さんの通夜が6日、東京・文京区の護国寺で営まれた。

 篠沢さんは2009年に筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断され、長年、闘病生活を続けていた。喪主を務めた妻の礼子さんは「闘病中は呼吸器をつけていて、ずっと会話することができなかったんですが、イライラすることなく、ニコニコ笑顔で接してくれていた。今回の病気とも闘って、治ると思っていたんですが…。十分頑張ってくれました。でも、本当はもっと生きてほしかった」と夫をしのんだ。

 篠沢さんを一躍、お茶の間の有名人にした「クイズダービー」への出演は「家族に不幸があって、夫の心の中にはずっともやもやしたものがあって、気分を変えるためというのも理由の一つ。あとは『クイズができない人間が、出演してもよいのであれば』というのがあったそうです」と明かした。

 学習院大学時代の1年後輩で、俳優やクイズ番組の名司会者として知られた故児玉清さんとは、学生時代にともに同じ劇団で活動。礼子さんは「実は夫は役者になりたかったそうです。でも、児玉さんを見て、役者を諦めて学者になった。一方、児玉さんは学者になりたかったけど役者になったそうです」と少し笑顔を見せながら振り返った。

 その後、テレビ出演することになり「世間に顔を知ってもらうことになって、昔の同級生からは『やっと本来の篠沢になった』と言われたそうですよ」と話した。