座間9遺体事件の白石隆浩容疑者(27)の深層心理は――。

 昨夏起きた相模原殺傷事件の植松聖被告と同じ27歳。着目すべきはその生い立ちだ。子供のころは両親と妹の4人家族で「妹の面倒をよく見ていた」(近隣住民)というが、ある時を境に両親が別居。母と妹は遠く離れ、同容疑者もまた、父親とは別の場所で暮らすようになった。

 高校は卒業しておらず、17歳の時には座間市内のドラッグストアでアルバイト経験も。だが、金銭的に満足できるものではなかったのか、次第に“闇の世界”に足を踏み入れるようになる。

 やがて東京・新宿歌舞伎町で風俗スカウトマンとして働き始めたが、ツイッター投稿では同容疑者の悪評ばかりが目につく。今年2月には女性を売春目的で茨城県内の風俗店に紹介したとして、職業安定法違反容疑で逮捕。5月に懲役1年2月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。

 警視庁元刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は「ビジネスの能力はあるのに、学歴などから限界を感じ、悪の道にかじを切った可能性があります」とコメント。

 今回の事件でも、かねて北芝氏は「日本は平和に見えて、裏では何でもあり。家出少女や自殺サイトに書き込む子を狙った専門の犯罪集団がいる」と指摘しており「まさにそれが表に出てきた」と語る。

 頭部だけをきれいに残す殺害方法についても「精神異常者であることはもちろんですが…」と前置きした上で、次のように述べる。

「戦国時代の合戦で大将首が値打ちがあるのと同じで、頭部はトロフィーみたいなものなのです。それを見て性的興奮を覚える者もいる。かつて神戸児童殺傷事件の犯人、酒鬼薔薇聖斗は被害者が息絶えた瞬間を見て、射精したそうです。白石容疑者も頭部だけは腐敗を免れるような措置をしており、こだわりが感じられる。酒鬼薔薇に通ずるサディスティックな部分があると思います」と分析した。